大生命の危機        2006年2月19日 寺岡克哉


 私は、「大生命」が永遠に存在してほしいと願っています。
 なぜなら大生命は、「私の生命の本体」であり、大生命が存在するかぎり
「私の生命」も永遠に存在するからです。


 しばらく「大生命」の話から遠ざかっていたので、急にこんなことを言っても、訳が
分からないかも知れませんね。だから本題に入る前に、大生命の話をすこし思い
出してみることにしましよう。

                 * * * * *

 「大生命」とは、地球のすべての生命を含む、「地球の生態系」のことでした。
 そしてそれは、「自己存在の拠り所」となるものでした。(エッセイ1

 大生命は、地球のすべての生命が一つにつながり、あたかも「一つの生命」
ように振る舞います。(エッセイ19
 しかも大生命は、ある種の「意志」と言えるものを持っており、その「大生命の
意志」によって、地球のすべての生命は愛されているのでした。そのような大生命
の愛を、「大愛」と名づけました。(エッセイ20

 また、すべての個々の生命は、「精一杯に生きること」によって「生命の仕事」
を行っており(エッセイ21)、その生命の仕事の「波及効果」は、大生命の中で
永遠に存在する
のでした。(エッセイ22

 さらに大生命は、時間や空間を越えて存在する「一本の大きな木」にも例える
ことができました。(エッセイ168
 そして実は、それが「私の生命の本体」なのであり、大生命が存在するかぎり、
私の生命も永遠に存在するのでした。(エッセイ169エッセイ170

 以上のように結論だけを並べると、やはり、何かの「新興宗教」か「誇大妄想」
のような感じがしないでもありません。しかし上の話にも、それなりの根拠があると
私は考えています。
 それらの根拠など詳しい話については、それぞれの番号のエッセイを参照して
ください。そうすれば、上の話がたんなる空想や妄想でないことが、分かって頂け
るかと思います。

 しかしとにかく、大生命は「私の生命の本体」であり、「私の存在」を根底から
ガッチリと支えるものです。だから私は、大生命に末永く存在して欲しいと願って
やまないのです。

                * * * * *

 しかしながら「大生命」にも、いつか終わりのときが来るかもしれません。
 私は、それがとても心配です。
 そこで次に、そのような「大生命の危機」について考えて見ることにしましょう。

 「大生命の危機」について、私がまず最初に心配したのは、「太陽の寿命」が
尽きるとき
のことです。
 太陽が寿命の終わりに近づくと、いまの何百倍もの大きさに膨張し、「赤色巨星」
というものになります。その大きさは、水星の回る軌道も、金星の回る軌道も飲み
込んでしまい、最後には地球をも飲み込むほどになります。
 あと20億年ぐらい経つと、巨大化した太陽の熱で、地球の海水がすべて蒸発する
そうです。そして50億年後には、地球が太陽に飲み込まれてしまいます。そうなれ
ば、地球の生命は絶滅してしまうでしょう。

 しかしそれでも、あと20億年もの時間があるので、それまでに人類よりもずっと
進化した生命が現れて、太陽系から脱出している可能性が十分に考えられます。
 なぜなら、たとえばナマコやナメクジのような生物から、人類に進化するまで要し
た時間が、たったの6億年ほどだからです。
 そしてさらに、今の人類でさえも、パイオニア宇宙船やボイジャー宇宙船などの
人工物ならば、太陽系の外に送りだす能力をすでに持っているからです。
 だから「あと20億年」というのは、地球の生命が宇宙に進出するのに、十分
な時間が残されていると考えてよいでしょう。


 しかし地球の生命が宇宙に進出し、うまく太陽系から脱出できたとしても、今度は
「宇宙の寿命」が尽きてしまいます。
 あと数100億年から数1000億年ぐらいの時間が経てば、この宇宙に存在する
星という星すべてが燃えつきてしまい、「暗黒の空間」だけになってしまうでしょう。
そうなれば、生命の使えるエネルギーも無くなってしまいます。

 しかしながら、もしもそこまで生命が存在して進化を続けていれば、ただの空間
からエネルギーを取り出したり、「新しい宇宙」を作ってしまったり、あるいは我々の
知らない「別の宇宙」を発見して、そこに移住したりするかも知れません。
 とにかくそのような生命は、たとえばチンパンジーが月ロケットやコンピュー
ターを作り出すなど想像さえできないように、我々の想像できないことを平然
とやってのけるでしょう。いわんや、我々の想像できる範囲の危惧など、もの
ともしないはずです。

 私は今まで、「大生命の危機」について以上のようなことを考えていたのです。

                  * * * * *

 しかしそれは、あまりにも遠くを見すぎていて、まったく「足もと」を見ていなかった
ことに、今さらながら気がつきました。

 たとえば地球の環境破壊や温暖化などで、下手をすればあと数1000年、最悪
の場合はあと100年ぐらいで、地球の生態系が壊滅的な打撃を受けてしまうかも
知れないのです。
 これから追々と話すつもりですが、今まさに、「恐竜の絶滅」をはるかに凌ぐ
ような「超大絶滅」が進行しているのです!

 そしてそれが、「大生命」にとって最大の危機であることに、改めて気がついた
次第です。

 これからは、地球環境や温暖化、地球の生態系などについてもっとよく勉強し、
「大生命の危機」を回避する方法について考えたいと思っています。



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