トランプ・リスクが増大!
                              2017年4月16日 寺岡克哉


 おそらく、皆さんも同感してくれると思いますが、

 最近また、「トランプ・リスク」が増大してきたように、

 私は感じています。



 というのは、

 アメリカのトランプ大統領が、「いきなり突然に、何をしでかす
のか分からない」ために、

 シリア情勢や、北朝鮮情勢が、ものすごく緊迫化しているから
です。


            * * * * *


 たとえば、4月6日・・・ 

 トランプ大統領が、いきなり突然に、シリアの空軍基地にたい
する攻撃命令を出し、

 地中海に展開しているアメリカ軍の駆逐艦2隻から、巡航ミサ
イルの「トマホーク」を、59発も発射しました。



 これについて、トランプ大統領は直ちに声明を出し、

 シリアのアサド政権が、猛毒のサリンとみられる化学兵器を
使った爆撃を実行し、

 多数の犠牲者が出たことへの、「対抗措置」であると述べて
います。



 ところで、このことに対して私は思うのですが、

 たしかに、化学兵器の使用を容認することはできません。



 しかしながら、

 化学兵器を使用したとみられる爆撃が行われたのは、4月4日
のことであり、

 その、たった2日後に、時間をかけた詳しい調査をすることなく、

 いきなり突然に、しかも米中の首脳会談中に、ミサイル攻撃を
行なったのです。



 私は、このトランプ大統領の行為にたいして、

 ある種の「異常さ」を、どうしても感じざるを得えません。

 というか、とても正気の沙汰であるとは思えないのです。


            * * * * *


 また、アメリカ軍は4月13日。

 アフガニスタンの東部にある、「イスラム国」の拠点にたいして、

 「大規模爆風爆弾」による空爆を実施したと、突然に発表しました。



 この「大規模爆風爆弾」というのは、

 核兵器以外の「通常兵器」の中では、「最大の破壊力」があると
されており、

 このたび初めて、実戦で使われたといいます。



 これについて、

 アメリカのトランプ大統領は、4月13日に行われた記者会見で、

 「また見事に任務に成功した。アメリカ軍を誇りに思う」と、たたえ
ました。


 その上で、

 「この8週間で起きたことと、過去8年にわたって起きたことを
比べれば、大きな違いがあることがわかるだろう」

 と述べて、前のオバマ政権との違いを強調し、

 トランプ政権の下において、アメリカ軍が成果を挙げていること
を主張しました。


            * * * * *


 以上、ここまで見てきましたように、

 いきなり突然に行われた、シリアに対するミサイル攻撃・・・ 


 そしてまた、いきなり突然に行なわれた、

 アフガニスタン東部での「大規模爆風爆弾」による爆撃・・・ 



 これらのことから、

 「アメリカのトランプ大統領は、いきなり突然に、何を
しでかすのか分からない!」


 というのが明らかになったのは、もはや疑うべくもありません。


            * * * * *


 その、

 いきなり突然に、何をしでかすのか分からないトランプ大統領が、

 北朝鮮に対する政策について、「全ての選択肢がテーブルに
ある」と表明しました。



 そして日本政府に対しても、

 「(北朝鮮にたいして)軍事攻撃を決断する可能性がある」

 と、伝えて来ているのです。



 さらに具体的な動きとして、

 アメリカの原子力空母「カールビンソン」を中心とした、ミサイル
駆逐艦2隻と、ミサイル巡洋艦1隻を含む「第1空母打撃群」を、

 朝鮮半島の近海に派遣させました。



 これらのことに関連して、ものすごく私が気になったのは、

 日本政府が、アメリカ政府にたいして、

 北朝鮮への軍事行動に踏み切る場合には、「事前協議」を行う
ように求めていることを、

 複数の日本政府関係者が明らかにしたことです。



 アメリカが攻撃に踏み切れば、在日アメリカ軍などを標的とする
報復攻撃の可能性も排除できないため、

 日本政府としては、不測の事態を招かないように、事前のすり
合わせが必要であると判断したといいます。


           * * * * *


 ほんとうに、大変なことになってきました!

 なんとかして、この緊迫状態を収拾(しゅうしゅう)させてほしい
と願ってやみません。



 そしてまた、

 もしも、北朝鮮とアメリカが軍事衝突をした場合、

 在日アメリカ軍への攻撃ばかりでなく、

 日本の「原発」が攻撃される可能性は、絶対に無いので
しょうか?




 少なくても、

 数100年に1度あるか無いか分からないような、巨大地震
や巨大津波によって原発が破壊される可能性よりは、

 軍事攻撃やテロ攻撃を受けてしまう可能性の方が、ずっと
ずっと高いのは、おそらく間違いないと思います。


 なので私は、ものすごく心配で仕方がありません!


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※ 注:

 もしも北朝鮮が、日本の原発への「テロ攻撃」や「軍事攻撃」を
決意した場合、その「攻撃能力」については、

 本サイトの「エッセイ643」「エッセイ644」で、レポートして
おります。
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