地球温暖化について書く理由
                               2019年10月6日 寺岡克哉


 今回は、

 私が地球温暖化についての文章(エッセイ)を書く理由について、

 ちょっと話してみたいと思います。


            * * * * *


 私は当初・・・ 

 地球温暖化の問題を、「世間に広く知らせなければならない!」

 と、非常に強く思っていました。



 なぜなら、

 私が地球温暖化についてのエッセイを書き始めた2006年の
当時では、

 地球温暖化のことが、まだ広く一般に知られているような状況
でなかったからです。



 今でこそ、

 地球温暖化のことを小学校から教(おそ)わるようになりました。

 が、しかし、

 それに比べて2006年の当時では、まったくと言っていいほど、
地球温暖化のことが一般的に知られていなかったのです。



 それで私は、

 「まず、地球温暖化のことを広く知ってもらわなければならない」

 「地球温暖化のことが広く知られれば、何らかの社会的な動きが
生まれるはずだ」

 「しかし、地球温暖化のことが世間に知られなければ、何も始まる
可能性がない」

 と、このように思って、地球温暖化についてのエッセイを書き始め
たのでした。


            * * * * *


 その後、2007年になると、

 IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change  気候変動に
関する政府間パネル)の第4次報告書が発表され、

 「地球温暖化の原因が、人為的な温室効果ガスの排出増加である
可能性が90%以上」と結論づけられました。



 これによって、

 地球温暖化は、間違いなく人間の所為(せい)で起こっているので
あり、

 もはや、「地球温暖化は自然現象である」などと、言い逃れることが
出来なくなりました。

 つまり、温室効果ガスの排出を削減することが、「人類の責務」と
なったのです。



 そして一方、

 エッセイ252 「地球温暖化の深刻さ」で考察しましたが、このまま
何も温暖化対策をしなければ、

 第二次世界大戦による死者数(注1)など、はるかに超える被害
になる可能性も考えられました。

-----------------------------
注1 第二次世界大戦による世界全体の死者数:

 エッセイ252を書いた2006年12月の時点では、4000万人~
6000万人と言われていましたが、

 このたび調べなおしてみると、5000万人~8000万人と言われ
ているみたいです。
-----------------------------



 私は、

 ヒトラーをも凌駕(りょうが)するような大量虐殺者には、なりたく
ありませんでした。

 また、未来の世代の人たちから、そのように非難されることを
避けたいと思っていました。

 そのような動機で、地球温暖化のエッセイを書いていた時期も
あったのです。


            * * * * *


 その後さらに年月を経て、近年になると、

 熱中症、大雨、洪水、土砂崩れ、暴風など、地球温暖化による
気候変動で、

 「甚大な気象災害」が、毎年のごとく起こるようになって来ました。



 2006年~2007年の当時では、

 地球温暖化による被害が、こんなに早く顕著に現れてくるとは、
まったく予想できませんでした。

 この調子だと、地球温温暖化による被害が、この先どんどん甚大
になっていくのは間違いありません。



 私は、いまの時代の人間たちが、地球温暖化の被害にたいして、

 「そんな大変なことになるとは思わなかった」

 「予想外だった、想定外だった」

 などというような「言い逃れ」を、未来の時代の人間にたいして
出来ないようにするため。



 つまり、

 いまの時代においても、「地球温暖化の深刻さ」を把握し、警鐘(け
いしょう)を鳴らしている人々が(私も含めて)たくさんいたのに、

 (とくに大国の)政治や経済を動かしている人間たちが、ほんとうに
本気になっては、温暖化対策をやろうとしなかった。

 そして、(私も含めた)いまの時代を生きる大多数の人々も、それを
変えることができずに容認してしまった・・・

 そのような「前科」から、(私も含めて)逃れることが出来ないように
するために、

 地球温暖化についてのエッセイを書き続けて行こうというのが、いま
現在の私の動機になっています。



 私は、

 地球温暖化にたいして「言い逃れ」をしたくありませんし、

 政治や経済を動かしている「お偉い人間たち」にも、「言い逃れ」など
絶対に許したくないのです。



      目次へ        トップページへ