台風18号が上陸
                           2009年10月11日 寺岡克哉


 先週のエッセイ398で、

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 今年は海水の温度が高くなっているので、日本も台風には要注意
です!


 今年の8月7日に、台湾を襲った「台風8号」は、たくさんの死者を出して
います。

 現在のところ、日本に台風が上陸していないのは、「運が良いだけ」に
すぎないのです。

 決して、油断はできません。
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 などと書いたのですが・・・



 それから、たったの数日後に、

 南方海上に発生していた「台風18号」が、日本にみるみる接近し、

 10月8日の朝早くに、愛知県に上陸してしまいました。



 上陸時の中心気圧は、955ヘクトパスカルで、

 中心付近の最大風速は40メートル、

 瞬間最大風速が55メートルにも達した、

 「非常に強い台風」でした。



 その後台風は、日本を縦断するように進み、

 同じ10月8日の午後に、宮城県沖の太平洋上に抜けました。



 この台風による全国での被害は、

 死者が5人。

 重軽傷者が121人。

 床上や床下浸水が、1200棟を超えました。



 また、

 鉄道は、JR各社でおよそ3300本が運休し、300万人以上に
影響がでました。

 飛行機は、計426便が欠航し、およそ4万1300人に影響しま
した。



 さらには、41都道府県の、

 幼稚園、小学校、中学校、高校、大学などで、1万4853校が

 休校したのです。


               * * * * *


 じつは私は、

 台風18号を、日本の南方海上にあるときから、注意して見て
いました。

 というのは、南の海上で、中心気圧が910ヘクトパスカル
までも発達したからです。

 それで、「この台風は、ものすごく要注意だ!」と、思っていた
わけです。



 台風18号が、日本に上陸した時点では、955ヘクトパスカルに

 勢力が衰えていました。

 が、しかしそれでも、「非常に強い台風」だったのです。



 もしも台風が、そこまで衰えずに上陸していたら、

 ものすごく大変なことに、絶対になっていたでしょう。

 やはり今年は、海水温が高いので、

 猛烈な台風が発生しやすくなっているように思います。


               * * * * *


 ところで・・・ 

 今年の8月に、名古屋大学や、気象庁などの研究グループは、

 日本の南方の「西太平洋」において、海水温が2℃ていど高く
なると


 風速が67メートル以上にもなる、「スーパー台風」が発生する
という

 研究結果を発表しました。



 そのような「スーパー台風」の中でも、とくに最大級のものは、

 中心気圧が866ヘクトパスカル、最大風速が80メートルにも、

 達するとされています。



 これは、

 日本において、台風としては過去最大の被害をもたらした
「伊勢湾台風」よりも、

 そして、2005年にアメリカを襲った、ハリケーン「カトリーナ」
よりも、

 それらを超える強烈な台風です!



 もしも、そんな台風が、日本に上陸してしまったら、

 「ものすごく甚大な被害」が出るのは、絶対に確実でしょう。

 それは、考えただけでも恐ろしいことです。


             * * * * *


 以前のエッセイ393で、ごく簡単な説明をしていますが、

 海水の温度が高くなると、どうしても台風が、強烈になって
しまいます。



 そしてまた、

 人類が、このまま温室効果ガスを出しつづけ、

 地球温暖化が、どんどん進んでしまうと、

 どうしても、海水の温度が上がってしまいます。



 なので、

 「スーパー台風」のような、ものすごく強烈な台風を発生させない
ためには、

 温室効果ガスの排出を、なんとかして大幅に減らし、

 地球温暖化の進行を食い止め、海水温の上昇を防止するしか、

 ほかに方法がありません。



 すべての人々が、「この事実」を認めなければならないし、

 この事実から、目を背けることができない事態になっている
のは、


 もはや明白なのです!



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