東日本大震災から10年
                              2021年3月14日 寺岡克哉


 今年の3月11日で、東日本大震災から10年となります。



 それに因(ちな)んで、

 テレビでは特集番組が大々的に放送されていますし、

 新聞では特集記事が大きく掲載(けいさい)されています。



 そして、それらの報道によると、

 今年の3月10日時点における被害状況は、死者が15900人、
行方不明者は2525人となっており、

 さらには、

 持病の悪化や自殺などの、いわゆる「震災関連死」の3775人
も加えると、

 東日本大震災による死者・行方不明者は、22200人にも上る
といいます。



 さらにまた、福島第1原発の事故により、

 最大およそ1150平方キロに及んだ「避難指示区域」は、その後の
除染作業によって縮小したものの、

 原則立ち入り禁止である「帰宅困難区域」は、今なお337平方キロ
も残っています。



 そして、

 原発事故によって大量に発生しつづけている、放射能汚染した水
の最終処分や、

 メルトダウンによって融(と)け落ちた核燃料、つまり「燃料デブリ」
の取り出しが、

 今でもまだ、ぜんぜん手がつけられていません。



 このように、原発事故がまったく終息していないことから、

 東日本大震災は、10年前に起こった過去のものではなく、

 いま現在も「継続中」であると言えるでしょう。


            * * * * *


 ところで私は、東日本大震災が起こった当時、

 地震の揺れを感じた直後から、テレビに噛(かじ)りついて、各地の
状況を見ていました。

 そうしたら、「大津波警報」が発令中であるにもかかわらず、

 何台もの自動車が、海の近くを普通に走っているのが映(うつ)って
いたのを、今でも記憶しています。



 私は、「何をしているんだ、早く逃げろ!!」と、

 ジリジリとした焦燥(しょうそう)に駆(か)られながら、テレビを見て
いたのですが、

 そうしているうちに、大きな津波が押し寄せて、家々や自動車などが、
どんどん波に飲み込まれ、流されていきました。



 そのような衝撃的な映像を、目(ま)の当たりにしたことで、

 東日本大震災から得られた、いちばん大きな教訓は、

 「避難勧告や避難指示が出たら、速(すみ)やかに非難せよ!」

 ということだと、私は心に刻(きざ)み付けています。



 そして、この上の教訓は、

 近い将来に起こるであろう「南海トラフ地震」や、

 これから毎年のように起こり、どんどん酷(ひど)くなっていくであろう、
土石流やガケ崩れ、そして洪水などの「地球温暖化による豪雨災害」
などに対して、

 ものすごく重要な教訓となるに違いないと、私は心の底から思って
いる次第です。



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