うがい薬の効果は?
2020年8月9日 寺岡克哉
8月4日。 大阪府の吉村知事は記者会見で
「うそみたいなほんとの話をするが、うがい薬でうがいをすると、新型
コロナウイルスの陽性者が減っていくのではないかという研究結果が
出た」
と、述べました。
その記者会見によると、
今年の6月から7月にかけて、宿泊施設で療養していた軽症や
無症状の患者、41人を対象にして、
殺菌効果のある「ポビドンヨード」が含まれたうがい薬で、1日に4回、
うがいをしてもらったところ、
そのほかの患者よりも、唾液の中のウイルスが減ったということです。
具体的には、
うがいをした患者は、4日目に唾液のPCR検査の陽性率が9%ほど
になったのに対し、
一方、うがいをしなかった患者は、陽性率が40%だったといいます。
吉村知事は、法律の関係で効能については言えないとした上で、
大阪府の宿泊療養施設で同意を得た上で、軽症者の全員に、うがい
薬を使用してもらうようにしたいと述べました。
さらに吉村知事は、とくに、
「発熱など風邪に似た症状のある人とその同居家族」
「接待を伴う飲食店の従業員」
「医療従事者や介護従事者」
などの人々にたいして、ポビドンヨードによるうがいの励行(れいこう)
を呼び掛けています。
* * * * *
この、ポビドンヨードによるうがいについて、
新型コロナウイルスの感染拡大を抑止するのに、画期的なことだと
私は思いました。
というのは、
唾液(だえき)の中に含まれている新型コロナウイルスの量を、減らす
ことができれば、
飛沫(ひまつ)による感染拡大を、防ぐ効果が期待できるからです。
とくに、
「新型コロナウイルスに感染しているけれども ”無症状” 」という人が、
3割~4割ぐらい居ると推定されていますが、
このような人々が、ポビドンヨードによるうがいをすれば、知らず知らず
のうちに感染を拡大させてしまうということが防(ふせ)げます。
なので、
東京などの、「感染が拡大している地域」に住んでいる人々が、ポビド
ンヨードによるうがいをすれば、
感染拡大が抑止できるような気がしてならないのです。
たしかに、吉村知事は8月5日の記者会見で、
「誤解されてはいけないことだが、うがいをすることで、体内に広がって
いるウイルスを抑えたり、予防できたりするわけではなく、治療薬でもない。
感染を防ぐ効果が認められたわけでもない」
と、述べています。
また、
ポビドンヨードによるうがいをすれば、重症化を防ぐことが期待されて
いますが、
これも、これから検証の研究が行われる予定で、まだ実証されたわけ
ではありません。
さらには、
妊婦さんなどの使用には、ポビドンヨードを「過剰摂取」してしまう恐れ
があり、注意が必要です。
妊娠中や授乳中における長期の過剰摂取は、お母さんだけではなく
赤ちゃんの、甲状腺腫大や甲状腺機能異常の原因になることが言われ
ているのです。
しかし、そうではありますが、
ポビドンヨードによるうがいによって、感染の拡大を抑止する効果が
期待できるのは間違いないなさそうなので、
とくに無症状や軽症の人たちに、行ってもらいたいと思う次第です。
目次へ トップページへ