アメリカ並みに感染拡大すると
                               2020年8月2日 寺岡克哉


 いま現在、

 日本国内において、新型コロナウイルスの感染が、どんどん拡大
しています。


 しかしながら私は、

 日本の場合、感染が拡大しても、死者数はそんなに増えないの
ではないかと、高(たか)をくくっていました。


 ところが!

 もしも日本において、アメリカ並みに感染が拡大したら、

 死亡者数は5万人を超えるという試算が、出てしまったのです。


 今回は、そのことについて書きたいと思います。


             * * * * *


 まず、2020年7月28日の時点で、

 アメリカと日本における、新型コロナウイルスの感染者数と死亡者
数、

 そして、それらから計算した死亡率は、以下の表のようになってい
ます。


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        感染者数     死亡者数      死亡率

アメリカ   443万人    15万1000人    3.41%

日本    3万3113人      1001人    3.02%
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 この表を見ると、

 アメリカに比べて日本は、感染者数と死亡者数が、圧倒的に
少ない(100分の1以下である)ものの、

 「死亡率」については、一桁(ひとけた)も二桁も小さいという
ことはなく、「そんなに大きな差が無い」ことが分かります。



 私は、このことに気がついたとき、ものすごく愕然(がくぜん)と
しました。

 なぜなら、いま現在、日本国内では感染がどんどん拡大して
いますが、

 もしも、日本でアメリカ並みに感染が拡大してしまったら、もの
すごく多くの死亡者が、出でしまうと分かったからです。


            * * * * *


 さて、

 もしも日本国内で、アメリカ並みに感染が拡大してしまったら、

 一体どれぐらいの死亡者が出てしまうのでしょう?

 以下に、それを試算してみたいと思います。



 まず、

 アメリカの人口を3憶2820万人とすると、7月28日時点の感染者
数が443万人となっていますから、

 感染率は、(443万人÷3億2820万人)×100=1.35% と
なります。



 一方、

 日本の人口を1億2650万人とすると、アメリカ並みに1.35%
の人が感染したとすれば、

 感染者数は、(1億2650万人×0.0135)=170万8000人と
なります。


 そして上の表より、日本における死亡率を3.02%とすると、

 死亡者数は、170万8000人×0.0302=およそ5万1600人
となるのです。



 以上により、

 もしも日本国内で、アメリカ並みに新型コロナウイルスの感染
が拡大してしまったら、


 「死亡者数が5万人を超える」と、試算されるのです。


            * * * * *


 たしかに、ここ最近、

 新型コロナウイルスの感染は、おもに若い人々に拡大しているので、

 死亡率は、当初のころより低くなっています。



 そして、もしも今後、死亡率がだんだん低くなって行ったら、

 アメリカ並みに感染が拡大しても、死亡者の数は、5万人よりもずっ
と少ないかもしれません。



 ところが、もしも今後、

 高齢の人々にも感染が拡大して、重症者が多くなり、「医療崩壊」を
引き起こしたりすれば、

 急激に死亡率が高くなっていく可能性も、十分にあるのです。



 それを考えれば、

 やはり、感染をむやみに拡大させてしまうのは、ものすごく危険で
あり、

 ここ最近の感染拡大に慣れることなく、これからも気を引き締めて
行かなければならないのは、

 言うまでもなく、まったく当然だと思う次第です。



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