禁酒しました
2020年7月5日 寺岡克哉
私事(わたくしごと)で恐縮ですが、近ごろ禁酒しました。
理由は、エッセイ954で書きましたように、心房細動(注1)の発作
が起こるようになったからです。
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注1 心房細動(しんぼうさいどう):
心房(心臓の上半部にある部屋)の内部に流れる電気信号が、乱れる
ことによって起こる「不整脈」の一種です。
心房が痙攣(けいれん)したように細かく震え、血液をうまく全身に送り
出せなくなります。
また、それによって心房に血栓(けっせん)ができやすくなり、その血栓
が脳に行って、脳の血管が詰まるリスクが高まります。
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インターネットで調べてみると、
飲酒によって心房細動が誘発され、発作の起こるリスクが高まる
みたいです。
そう言えば私も、
6月9日に最初の発作が起こり、救急車で病院に搬送されて以降、
しばらく禁酒をしていたのですが、
「もう大丈夫かな」と思って、6月21日に飲酒をしたら、6月22日の
午前5時に、発作が起こってしまいました。
幸いにも、発作を止める「とんぷく薬」を病院からもらっていたので、
その薬を飲んで安静にしていたら、1時間ほどで発作が治(おさ)ま
りました
じつは、この2回目の発作が起こったとき、
「お酒が心房細動のリスクを高めること」を、まだ私は知らなかった
のです。
それで、「もしや」と思ってインターネットで検索してみたら、お酒が
心房細動に悪いことが、いろいろ出てきたわけです。
それで、
「これでは、もう禁酒するしかない!」と、私は覚悟を決めたのでした。
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ところで私は、お酒を毎日飲むような人間でした。
なので、お酒が飲めなくなることは、人生の楽しみの半分ぐらいを、
失ってしまった気分です。
そのため、
「たまには一口ぐらい酒を飲んでみたい」という、誘惑に駆られること
があります。
しかし、
「心房細動の発作が起こるかもしれない!」と考えると、やはり思い
とどまってしまうのです。
というのは、
心房細動の発作が30分ぐらい続くと、やはり胸が苦しく感じてきま
すし、
発作を止める「とんぷく薬」を飲んでも、1時間ぐらいは発作が止まら
なかったのです。
その間は、やはり「苦しむ」ことになってしまいます。
そしてまた、
もしも「とんぷく薬」を飲んでも、発作が止まらなかった場合は、
また救急車を呼ばなければならない事態になってしまいます。
そうすると、
消防の救急隊員の方々や、病院の救急医療スタッフの方々など、
多くの人々に迷惑をかけてしまいます。
そのようなことを考えると、
とても酒を飲む気もちには、ならなくなってしまうのです。
私の人生において、今後ずっと、お酒が飲めなくなったことは、やはり
とても残念です。
しかしながら、
お酒を飲んで無駄にしていた時間(酔っぱらって何もできなかった時間)
を、有効に使えるようになったのも確かです。
これからは、
その有効に使えるようになった時間で、なにか別の「楽しみ」を、見い出し
ていきたいと思っています。
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