テレビによる扇動では?
                                2020年5月24日 寺岡克哉


 ここのところ世間では、

 新型コロナウイルスに感染した人々や、病院で働いている人々への、

 非難や中傷、差別などが問題になっています。



 これについて私は、その原因のほとんど全てが、

 「テレビによる扇動(せんどう)」のためではないかと、

 思えてならないのです。



 というのは、

 有名な芸能人の死を、大々的に取り上げて、新型コロナウイルスの
脅威を煽(あお)ったり、

 感染した人の大部分が、「無症状」か「軽い症状」で済んでいるにも
かかわらず、
 重症になった少数の人々について、ことさら大々的に報道している
からです。



 また、

 「軽症であっても高熱が出て辛い」という報道も目にしましたが、

 それは軽症者の一部であって、ほんとうに軽い症状で済んでいる人も、

 たくさん居るはずです。



 さらには、

 (誰にうつすのか分からないので)「無症状だからこそ怖い」という
煽(あお)りもよく聞きますが、

 本来なら、(病気としては)「無症状なら怖くない」というのが、自然な
感じ方だと思います。

 この、

 「無症状だからこそ怖い」というのは、客観的な事実を、相当に
捻(ね)じ曲げているような気がしてなりません。


           * * * * *


 たしかに、

 重症者が増えることによる「医療崩壊」を防ぐためには、

 国民に、かなりの「危機感」を持ってもらわなければならず、

 そのためには、国民を相当に脅かす必要があったのかも知れま
せん。



 が、しかし、

 やはり、テレビはやりすぎた(国民を脅かしすぎた)ように思えて
なりません。



 というのは、

 非難や中傷、差別によって、医療従事者を精神的に追いつめ、

 返って、医療崩壊を招きかねない状況になったからです。



 また、一般の人々も、

 多少の熱や咳(せき)などの症状があったとしても、

 非難や中傷、差別を恐れて、病院に行かなかったり、PCR検査を
受けようとしないのでは、ないでしょうか。

 そうなれば、返って感染が拡大してしまうのは明らかです。


            * * * * *


 ところで、

 私の個人的な状況としては、身内に肺がんを患っている者が
いるので、

 新型コロナウイルスに感染すると、「命取り」になる可能性が高く、

 ものすごく恐ろしいと感じています。



 なので、

 新型コロナウイルスに感染した人や、感染しているかも知れな
い人にたいして、

 攻撃したくなる気持ちも、分からないではありません。



 が、しかし、そうではありますが、

 ここは、ぐっとこらえて頭を冷やし、

 自粛(じしゅく)警察とか、非難や中傷、差別などの行為を、

 厳(げん)に慎(つつし)むべきであるのは、言うまでもありません。



 本サイトで、

 圧倒的に大多数の人が、「無症状」や「軽い症状」で済んでいる
ことを主張しつづけているのは、

 恐怖心に駆られている人たちに、少しでも冷静になってほしいと
願っているからです。



 しかしながら、これだけテレビに恐怖心を煽(あお)られると、

 一部の人々が恐怖心に駆られ、攻撃的な行動に走ってしまうのは、

 無理もないことかも知れません。



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