新型コロナウイルスの脅威 2
                               2020年2月9日 寺岡克哉


 新型コロナウイルスの「感染力」について、驚くべきことが分かって
きました!



 横浜に停泊している、大型豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」で
発生した、新型コロナウイルスの感染問題で、

 乗客乗員およそ3700人のうち、発熱やせきなどの症状があったり、
症状がある人と濃厚接触(注1)をした、

 合わせて273人についてウイルス検査を実施した結果、61人に
感染が確認されたのです。


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注1 濃厚接触:
 感染者と、衣食住をともにしたり、2メートル以内で会話をしたり、
航空機などで近隣の座席に座ったりすること。
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 この検査結果にたいして、単純に感染率を計算してみると、

 (61÷273)×100=22.3% となり、おそるべき大きさです。



 この、おそるべき感染力を実感するために、たとえば「最悪中の最悪」
の事態を想定してみると、

 もしも、日本の総人口である1億2600万人が、この割合で新型コロ
ナウイルスに感染したとすれば、

 1億2600万人×0.223=2810万人が、感染することになります。



 これは、

 日本で毎年1000万人ぐらい感染すると言われている「季節性イン
フルエンザ」と比べて、3倍近い感染力になっています。


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 しかし、実際の話として、

 日本国内で2810万人もの感染者が出ることは、おそらく無いだろ
うと思います。

 というのは、

 日本の総人口である1億2600万人のすべてが、発熱やせきなどの
症状があったり、症状がある人と濃厚接触をした訳ではないからです。



 では、

 もうすこし現実的な話として、もしも日本で新型コロナウイルスが流行
したら、一体どれぐらいの人が感染するのでしょう?


 それを考えるのに、いちばん良いデータだと私が思うのは、

 中国の武漢市に滞在していた日本人565人が帰国し、全員にたい
してウイルス検査を行った結果、8人が陽性になったというデータです。


 この検査結果にたいして、感染率を計算してみると、

 (8÷565)×100=1.4% となります。



 つまり、最悪の事態として、

 日本で武漢市なみに新型コロナウイルスが蔓延(まんえん)したと
仮定した場合、

 1億2600万人×0.014=176万人が、感染することになるのです。


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 ところで、上で見積もった176万人という感染者数は、

 季節性インフルエンザの1000万人に比べれば、5分の1以下の
数です。



 しかしながら、「ダイヤモンド・プリンセス」のデータによって、

 新型コロナウイルスの感染者と「濃厚接触」をした場合は、

 20%以上の確率で感染する可能性があるのを、けっして否定でき
ないのです。



 なので、やはり、

 新型コロナウイルスの感染者が近くにいる場合は、

 インフルエンザよりも、さらにもっと気をつけなければならないと思い
ます。



 そしてまた、医療施設が整っている日本の場合であっても、

 新型コロナウイルスの「致死率」は、インフルエンザよりも高い可能性
があります。

(患者の数に比べて、医療施設に余裕がある場合は、新型コロナウイ
ルスの致死率は0.2%ぐらいで、インフルエンザの致死率0.1%の
2倍ぐらいではないかと、現時点の私は思っています。)


 このような点からも、

 新型コロナウイルスの流行にたいして、十分な注意が必要であるのは、
絶対に間違いないのです。



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