AIで政治家を採点しては
2019年11月10日 寺岡克哉
前回(エッセイ922)の最後で、
「何らかのルールや、さらには法律を作るなどして、AIによる能力・
人格調査にたいする ”ガイドライン” を設けなければならない」
と、書きました。
ところで、その「本質的な理由」は、
AIによって能力や人格を「点数化」されることで、
その人の将来や生き方が左右されたり、いわれのない差別や偏見を
受ける可能性が考えられるからです。
このような問題にたいして、EU(ヨーロッパ連合)では、
●AI分析の対象とされない権利。
●分析結果に異議申し立てをする権利。
というのが、認められているみたいです。
EUでは、個人データの保護、それ自体が基本的人権として位置づけら
れています。
AIによって分析をされ、機械が出す結果のみで人生が左右されるような
場合には、「人間の介入を求める権利」が法律として明文化されているの
です。
また、不正確な結果に基づいて不利益を被った場合には、異議申し立て
をする権利も明文化されています。
* * * * *
わが国の日本においても、
そのような法律を作ることが、絶対に必要となるでしょうし、そうしなけれ
ばなりません。
そこで、政治家の先生方が本気になるようにと、ちょっとしたアイディア
を思いつきました。
そのアイディアですが、AIで政治家を採点してはどうでしょう!
つまり、政治家の先生方の、
ブログやツイッターへの投稿内容。
記者会見の内容。
公約をどれぐらい達成できたかなどの、これまでの業績。
各種の法案、とくに重要法案にたいして、国会の議論で賛成したのか
反対したのか。
スキャンダルや汚職、問題発言などの有無。それらが有った場合は、
その数や内容。
ウヤムヤにして、もみ消してきた疑惑の数や内容。
失脚歴や辞任歴。
支持率。
等々、それら膨大なデータをAIに入力し、しかるべき計算をして、
それぞれ政治家の先生方にたいし、
●政治家としての「能力」が、どれぐらいあるのか
●政治家としての「人格」が、どれぐらい備(そな)わっているのか
を、採点(点数化)するのです。
とくに「選挙前」に、そのような採点をしてくれると、
そしてさらには、立候補者たちの「能力・人格ランキング」みたいのを
発表してくれると、
誰に投票すれば良いのか、一目瞭然(いちもくりょうぜん)になるので、
ものすごく助かります。
政治家の先生方、このアイディアどうでしょう?
「そんなこと、絶対に認めるわけには行かない!」
と、大多数の先生方が、そのように考えるのではないでしょうか。
それならば、やはり、
AIによる能力・人格の点数化を、このまま「野放し」にしておくことには、
大きな問題があると言わざるを得ません。
しかるべき「法律」を作って、「ガイドライン」を設けることを、政治家の
先生方に、つよく要望したいと思います。
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