こんなに早く、こんな日が・・・
2019年10月13日 寺岡克哉
こんなにも早く、こんな日が来てしまったなんて・・・
前回のエッセイ918で書きましたが、
将来的に地球温暖化の被害は、第二次世界大戦による被害をはる
かに超える可能性があります。
そうなったとき、
ヒトラーをも凌駕(りょうが)するような大量虐殺者として、未来の世代
の人々から非難されることを、私は避けたいと思っていました。
しかし、2006年ごろの当時の私は、
私たちの世代が、そのような非難を受けるようになるのは、
おそらく200年~300年後か、いくら早くても100年後ぐらいだろう
と思っていたのです。
ところが!
前々回のエッセイ917で書きましたが、9月23日に行われた国連の
気候変動サミットで、
グレタ・トゥーンベリさんという16歳の少女が、今の大人たちを痛烈に
非難しました。
以下は、
国連気候変動サミットで行われたグレタさんのスピーチから、その一部
を抜粋したものです。
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グレタ・トゥーンベリさんのスピーチからの抜粋
あなたたち(今の大人たち)は、私たちを失望させています。しかし、若者
たちはその裏切りに気づきつつあります。未来の世代の目は、全てあなた
たちに向けられているのです。
それでもなお、私たちを裏切る選択をするのであれば、言わせてください。
「私たちは決してあなたたちを許しません」。
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こんなにも早く、こんな日が来てしまったなんて・・・
まさか、私が生きているうちに、しかも本サイトでエッセイを書き続けて
いるうちに、若い世代からの非難を受けてしまうなんて、
2006年ごろの当時の私には、予想できなかったどころか、夢にも思っ
ていませんでした。
* * * * *
しかしなぜ、
こんなにも早く、若い世代からの非難を受けることになったので
しょう?
それは、
「地球温暖化による被害」が、ものすごく急速に悪化しているから
です!
たとえば日本では、
つい先日に、台風15号によって千葉県に甚大な被害が出たと
いうのに、
今度は台風19号が、関東甲信越や東北地方などの広い地域に、
甚大な被害を出しています。
このように日本だけでも、すごく異常なペースで、甚大な気象災害
に襲われているのです。
さらに世界へ目を向けると、
国連国際防災戦略(UNISDR 注1)によれば、昨年(2018年)の
1年間に、
洪水や干ばつ、暴風雨、森林火災によって被害を受けた人々は、
世界で5730万人に上るとしています。
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注1:
国連国際防災戦略(UNISDR)は、国際連合事務局の防災に関する
組織です。
国連総会は1990年代を「自然災害軽減のための国際的な10年」
と定めて、国際社会全体の防災力向上に取り組んできましたが、
国連国際防災戦略(UNISDR)は、これを継承する形で1999年に
設立されました。
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洪水、干ばつ、暴風雨、森林火災によって被害を受けた人々が、
1年間に世界で5730万人・・・
地球温暖化が引き起こした「気候変動」による被害は、すでに想像
を絶するほど悪化しているのです。
温暖化対策は、もう本当に、一刻の猶予もありません!
それを若い世代の人たちは、
「もはや自分たちの生存の危機だ!」というほどに、心の底から実感
しているのだと思います。
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