日韓関係が悪化 9
                               2019年8月11日 寺岡克哉


 日本政府は8月2日。

 貿易管理をする上での優遇措置を適用している、いわゆる「ホワ
イト国」というカテゴリーから、

 「韓国を除外する」政令改正を、閣議決定しました。



 この政令改正は、

 すでに8月7日に公布されており、8月28日に発動する予定です。

 これによって、

 韓国に対する輸出の手続きが、これまでよりも厳格化されることに
なりました。



 ちなみに、

 日本政府が「ホワイト国」の指定を取り消すのは、今回の件が
初めてですが、

 これに対して、韓国側がものすごい反発を示しており、

 日本と韓国の対立は、「戦後最悪」と言われるほどに悪化してい
ます。


            * * * * *


 また、経済産業省は8月2日。

 「ホワイト国から韓国を除外する」政令改正が閣議決定されたの
に合わせて、

 これまで使用してきた輸出管理上の「国別カテゴリー」の名称を、
「見直す」と発表しました。



 つまり、これまでは、

 輸出管理制度において優遇措置が得られる「ホワイト国」と、

 その他の「非ホワイト国」という、2つの名称を用いてきましたが、


 これからは、

 「ホワイト国」を「グループA」という名称に変更し、

 「非ホワイト国」は、「グループB~D」の、3つのカテゴリーに分ける
ことになりました。



 その理由について経済産業省は、

 「非ホワイト国でも実務上の扱いが異なることから、より実態に即し
た分類にするため、全体を4カテゴリーに再分類した」

 と、説明しています。



 ちなみに韓国は、

 このたびの政令改正で、「グループA」から「グループB」に変更と
なります。


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 さて、

 新しく4つのグループ(カテゴリー)に再分類された国々は、

 およそ以下のようになっています。


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  グループA  アメリカ、イギリス、ドイツなど26ヵ国

  グループB  韓国、リトアニアなど10~20ヵ国前後

  グループC  中国、台湾、シンガポールなど多くの国や地域

  グループD  北朝鮮、イラン、イラクなど10ヵ国
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 ところで、

 「どのような条件で、上のようなグループ分けをしたのか?」

 という疑問が起こるでしょうが、それを説明すると、なかなか
難しい話になってしまうので、ここでは省略します。



 しかしながら、

 グループ分けされた代表的な国々を見ると、

 グループAからグループB、そしてC、Dとなるに従って、輸出
の審査が厳しくなっていき、

 グループDに至っては、審査を厳格にしないと「危険な国々」で
あることが、分かるかと思います。


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 ところで、韓国は「グループB」に分類されていますが、

 これは、中国や台湾などの一般的な多くの国々が「グループC」
であることを考えれば、

 まだ韓国は、一般的な多くの国々よりも「優遇」されている
ことが分かります。



 たとえば日本にとって中国は、アメリカに次いで第2位の輸出相手
国ですが、

 韓国は、そのような中国よりも優遇されているのです。



 日本から中国への「大量の輸出」が、とくに何の支障もなく行われ
ていることを考えれば、

 日本から韓国への輸出にたいしても、とくに何の支障もないことが
分かるでしょう。



 ところが、それなのに、

 韓国側の反発が、常軌を逸(いっ)するほど大きなものになっている
わけです。



 この、とても大きな反発について私は、

 韓国のムン・ジェイン大統領が、自分の支持率を上げるために行っ
ている政治的なパフォーマンスなのか、

 あるいは、

 輸出審査がすこし厳しくなるだけで、韓国側が行っている「後ろめ
たいこと」が、次々と暴露(ばくろ)されてしまうのか


 その、どちらかではないかと思えてなりません。



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