北海道胆振東部地震 4
                               2018年10月7日 寺岡克哉


 今回は、

 このたびの地震の体験で分かったこと(つまり教訓など)について、

 まとめてみたいと思います。


             * * * * *


 まず、

 マンションなどの集合住宅では、停電になると、断水になります。

 これは今まで、私もまったく知らなかったので、ものすごく面食らい
ました。

 なので、このことは、

 集合住宅に住んでいる、日本の全ての人々が、知っておくべきこと
だと思いました。



 幸いにも、

 私の住んでいるマンションでは、管理組合の方々の知恵によって、

 1階の管理棟の外側に、「停電になっても水が出る蛇口」を作って
おいてくれましたので、たいへん助かりました。



 ちなみに後日、髪が伸びたので床屋に行ったのですが、

 その床屋のマスターが住んでいるマンションも、停電によって断水
したそうです。

 そして、私の住むマンションと同じように、1階の管理棟の外側に
水道管が設置されていたそうです。

 ところが、水道管に「蛇口」を取り付けていなかったので、水を使う
ことが出来なかったそうです。

 管理組合に要請すれば、蛇口を付けることが出来そうなので、床屋
のマスターは「そうする」と言っていました。



 もしも、

 読者の皆さんの中で、マンションなどの集合住宅に住んでいる方が
いましたら、

 1階の外の適当な場所に、「停電になっても水が出る蛇口」があるの
かどうかを確認し、

 そのような蛇口が無いならば、設置してもらうように管理組合に要請
してみるのも、非常に大切ではないかと思う次第です。


             * * * * *


 つぎに、

 断水の状況下で、昼食をとったとき・・・ 

 私は、食器の「洗い物」を出すのを避けるために、お椀を使わずに、
残っていた味噌汁をナベごと飲みました。



 しかし、後からテレビの報道で知ったのですが、

 お椀の中に、サランラップを敷(し)いて、その上から味噌汁を
注(そそ)げば、

 お椀を汚すことなく、味噌汁が飲めることを知りました。



 ご飯は、茶碗を使わずに、サランラップで「おにぎり」のように包んで
食べたのに、

 お椀に、サランラップを敷くことは、まったく思いつきませんでした。



 同じような発想だったのに、気がつくことが出来なかったので、

 ちょっと悔(くや)しい思いをしました。


            * * * * *


 ところで、

 停電になった日は、1日中「ラジオ」を聞いていたのですが、

 ラジオだけでは、やはり情報量が少ないことを、思い知らされました。



 たとえば、

 厚真(あつま)町で「大規模な土砂崩れ」が起こったという報道を
ラジオで聞きましたが、

 しかし当然ながら、その映像を「見ること」は、けっして出来ません
でした。

 このときほど、「テレビの情報量はすごいものだなあ」と感じたこと
はありません。



 ちなみに私は、「スマートフォン」を持っていませんが、

 もしもスマートフォンが有ったなら、停電になっても、ニュースの映像
を見ることが出来たのでしょう。



 しかし、後からテレビのニュースで知ったのですが、

 スマートフォンのバッテリーは、長時間の使用に耐えられないので、

 停電になって、スマートフォンの充電ができない状況下では、

 「1日中、点(つ)けっぱなし」にしておくことは、とうてい無理みたい
ですね。

 情報の収集をスマートフォンに頼っていた人たちが、充電できないの
で、とても難儀していた様子が、テレビで報道されていました。



 やはり、いま現在のところ、大規模な災害時においては、

 「トランジスターラジオ」が、かなり強力な情報源に成りえると、言える
のではないでしょうか。


             * * * * *


 ところで、地震が起こった日の午後。

 近所のスーパーマーケットに買い物に行くため、道路を歩いていた
のですが、

 そのとき、すれ違う人々の中には、「米」や「ティッシュペーパー」など
を買っている人がいました。



 こんな非常時に、米やティッシュなどを買わなければならないとは、

 あまりにも、普段の備(そな)えが無さすぎるように感じます。



 やはり、

 電池、米、ティッシュ、トイレットペーパなどは、普段から少しはストック
しておき、

 非常事態になったときでも、2週間ぐらいは、買わなくても良いように
しておくべきだと思いました。


             * * * * *


 最後にですが、

 このたびの地震では、たった14時間ぐらいの停電と断水で、ずいぶん
心細い気持ちになってしまいました。

 もしも一週間以上、停電と断水が続いたら、ものすごく大変なことに
なってしまうと、心の底から思い知らされました。



 そしてまた、

 たとえば厚真(あつま)町などの、甚大な被害が出た地域にくらべれば、

 私の受けた被害(テレビ1台が破損)などは、ほんとうに軽微なもので
した。



 そのような幸運に感謝したい気持ちと、

 「普通の生活ができる」ということが、いかに幸福な状態であるかという
ことを、

 心に噛(か)みしめながら、これからの人生を送って行きたいと思います。



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