ウソの横行
                               2018年4月22日 寺岡克哉


 近年における日本の社会を、ちょっと全体的に眺(なが)めてみて、

 つねづね感じていることですが・・・ 



 学術研究の分野における、論文の盗用や、データのねつ造・・・ 

 産業界における、製品の規格データや性能データの改ざん・・・ 

 行政機関における、公文書の隠蔽(いんぺい)や改ざん・・・ 



 どうも、日本社会のあらゆる分野において、「ウソの横行」が見られ
るように思います。

 そして、その結果として、

 ウソが発覚した研究所、企業、省庁などが、窮地(きゅうち)に陥って
います



 とくに最近では、

 「森友学園問題」や「加計学園問題」、「イラク日報問題」など、

 行政機関における「ウソの横行」が、とても大きな問題となってい
ます。


            * * * * *


 どうして、こうも、ウソが横行するのでしょう?



 まるで、

 ウソをついた者勝ち!  とか、

 その場を誤魔化せればいい!

 というような風潮が、日本の社会に蔓延(まんえん)しているかの
ようです。



 そう言えば、

 私が子供のころに良く聞いた、「信用第一」という社会的な標語が、

 近年では、ほとんど聞かれなくなったようにも感じます。



 やはり近年の日本は、「ウソが横行する社会」に、なってしまったの
でしょうか。


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 しかしながら、そのように感じる一方で、

 もしかしたら近年の日本は、「ウソがバレやすい社会」に、なったの
ではないかという思いもあります。



 たとえば、

 学術論文の盗用などは、おそらく「専用の論文検索システム」など
を使えば、すぐに判明するのかも知れませんし、

 また、たとえば、

 ある省庁の上層部が、「その文書は破棄した」と明言したとしても、
部下の誰かが、文書の電子データを保存して持っている場合も多々
あるでしょう。

 さらに、たとえば、

 ある企業などが組織ぐるみで不正をしていた場合でも、インターネット
の普及によって、「匿名(とくめい)による内部告発」が、近年では随分
やりやすくなったように思います。



 つまり、

 社会のIT(情報技術)化が、進んできた結果として、

 近年の日本は、「ウソがバレやすい社会」に、なったて来たのでは
ないかとも思うわけです。


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 また、社会のIT化が進んできたことで、

 たとえば省庁や企業などにおける上司が、不正やパワハラ、セク
ハラなどを、頭ごなしに握りつぶそうとしても、

 部下の誰かが、電子データ(文書データや音声データ)として、
「動かぬ証拠」を持っており、

 それらが公(おおや)けにされてしまうことが、(まだまだ氷山の
一角だったとしても)よく起こるようになってきました。



 つまり、

 これまでのような、「上の者が ”白” と言えば、黒い物も白くなる」
というムチャクチャを、

 強引に押し通すことが出来にくい世の中に、なってきたと思うの
です。



 この点については、

 とても好ましい「社会変化」ではないかと、私は思っている次第です。



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