核のゴミ捨て場マップ
2017年8月6日 寺岡克哉
原発の使用済み核燃料から出る、高レベル放射性廃棄物・・・
その「最終処分場所」として、適する地域を示した日本地図。
つまり「科学的特性マップ」というものを、経済産業省が7月28日に
公表しました。
その「科学的特性マップ」によると、
高レベル放射性廃棄物の最終処分場所として、とりあえず「適する」
と考えられる地域。
つまり「最終処分場の適地」が、日本の国土面積のおよそ65%にも
上り、
その「最終処分場の適地」を持つ市区町村は、全体の8割を超える、
およそ1500もの自治体に達しています。
* * * * *
なんと日本の国土の、65%もの土地が、
高レベル放射性廃棄物の「最終処分場の適地」だというのです!
私には、まったく信じられません。
というのは、
以下に示した、本サイトの「エッセイ533」からの抜粋にあるように、
高レベル放射性廃棄物の放射能が、安全とされるレベルまで下がる
には、
「10万年」もの長い間にわたる保管が、必要だとされているからです。
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エッセイ533からの抜粋
25年後 高レベル放射性廃棄物を地下300メートル以深
に埋める処分開始(予定)
100年後 地下処分場を閉鎖(予定)
1000年後 高レベル放射性廃棄物の放射能が3千分の1に
10000年後 高レベル放射性廃棄物の放射能が1万分の1に
(元のウラン鉱石と同じレベル)
100000年後 高レベル放射性廃棄物の放射能が3万分の1に
(安全とされるレベル)
(※年数は、おおよその目安です。)
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そして一方、
日本列島は、「地震の巣」として有名であり、
東日本大震災クラスの大地震が、1000年に1回ぐらい起こる
と言われているからです。
たとえ1000年に1回であっても、10万年では100回にもなり、
そのような大地震では、地盤も大きくズレ動きます。
はたして、
地下に建設した最終処分場が、100回もの東日本大震災クラス
の地震に、耐えることが出来るのでしょうか?
そして地下の地盤も、絶対にズレ動くことなく、安定していられる
のでしょうか?
私には、とうてい信じることが出来ません。
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さらにまた、
たとえば「2万年前」の日本の地形を調べてみると、
北海道がユーラシア大陸と「陸続き」になっており、
本州と四国と九州が繋がって、「1つの島」になっています。
つまり、
たった2万年ぐらいの間でも、「日本の地形」というのは、そのよう
に大きく変わっているのです。
だから10万年ともなると、日本の地形が、一体どれほど変化して
しまうのか、私には想像もつきません。
たとえば現在は「陸地」であったとしても、もしかしたら10万年後
には、「海底」になっているかも知れないのです。
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以上、ここまで考察してきましたように、
10万年という時間スケールでみると、日本列島は巨大地震に
頻繁(ひんぱん)に見舞われており、
また、「地形の変化」も激しく起こっています。
つまり、
アメリカやヨーロッパなどに存在する、地震がめったに起こらない
安定した土地(安定陸塊)と違って、
日本の国土全体は、ものすごく地震が多く、とても不安定な土地
(造山帯)となっているのです。
そのような土地であるにもかかわらず、
高レベル放射性廃棄物を、10万年もの長い間にわたって保管す
るのに適した地域が、
日本の国土の65%にも及(およ)んでいるなんて、とうてい私には
信じることができません。
このたび経済産業省が公表した、「科学的特性マップ」と呼ばれる
ものが、
ほんとうに、科学的な判断の下で作成されたものであるとは、とても
私には思えないのです。
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