安倍内閣の支持率が20%台に下落
                              2017年7月23日 寺岡克哉


 近ごろ、安倍内閣の支持率が急落しています。

 世論調査を行った報道機関によっては、30%台の支持率を
維持できず、

 20%台にまで、落ち込んでいるという結果も出ています。



 たとえば、

 時事通信社が7月7日~10日に行なった世論調査によると、

 安倍内閣の支持率は29.9%となっており、前月の調査から
15.2ポイントも激減しました。

 その一方で、

 不支持率は14.7ポイント増加して、48.7%になっています。



 また、

 ANN(注1)が7月15日~16日に行った世論調査によると、

 安倍内閣の支持率は29.2パーセントとなっており、前月の調査
から8.7ポイント下落しました。

 その一方で、

 不支持率は12.9ポイント増加して、54.5%になっています。


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注1 ANN(All nippon News Network):

 ANNとは、テレビ朝日をキー局とした、日本の民放テレビのニュース
ネットワークのことです。
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 以上、安倍内閣の支持率低下について、さらっと見てきましたが、

 たしかに、加計(かけ)学園の問題(注2)や、豊田真由子・衆議院
議員のパワハラ暴言問題(注3)や、東京都議選での稲田防衛相
の失言問題(注4)など、

 安倍内閣の支持率を落とすような問題が、相次いで起こっています。


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注2 加計(かけ)学園問題:
 岡山市の学校法人である「加計学園」が、政府の国家戦略特区を
活用して、愛媛県の今治(いまばり)市に獣医学部を新設すること
を、国が認めました。
 しかし、この手続きをめぐって、加計学園理事長の友人である安倍
首相、あるいは首相側近による不適切な関与(つまり、獣医学部の
新設を加計学園にたいして認めるように、文部科学省に圧力をかけ
たこと)が、あったのではないかという「疑惑」が浮上している問題。


注3 豊田議員のパワハラ暴言問題:
 豊田議員の元男性秘書が、移動中の自動車内において、豊田
議員から「暴言」や「暴行」などを受けたという問題。
 豊田議員は大筋でそのことを認め、6月22日に自民党へ離党届
を提出しています。


注4 都議選での稲田防衛相の失言問題:
 稲田防衛相が6月27日に行なった、東京都議選の自民党候補者
にたいする応援演説の際に、
 「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてお願いしたい」と発言し
ましたが、
 それが自衛隊の政治利用ともとれる発言ではないかと、批判が巻き
起こったという問題。
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 しかしながら私は、

 これら上で挙げたような問題は、「表面上の問題」ではないかと
感じています。



 というのは、

 安倍首相は今年の5月3日に、憲法改正を求める集会にビデオ
メッセージを寄せて、

 「2020年を新しい憲法が施行(しこう)される年にしたい」と表明
しましたが、

 ほんとうに国民が危惧(きぐ)して、内閣の支持率を落としている
のは、このことではないかと私には思えるからです。



 つまり、

 今後たったの3年で「新憲法を施行する」という、安倍首相の姿勢
は、あまりにも強引ではないのか・・・ 

 というような危惧が、国民一人一人の明確な自覚として存在しなく
ても、国民全体の「雰囲気」として確かに存在しており、

 それが上で挙げたような問題に投影された結果として、内閣支持率
の急激な下落を引き起こしたのではないでしょうか。


 どうも私には、そのような気がしてなりません。



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