参議院選挙に思うこと
2016年7月3日 寺岡克哉
いよいよ参議院選挙が7月10日に迫ってきました。
なので今回は、
参議院選挙に向けて、私の思うことを書いてみたいと思います。
* * * * *
まず第一に、
今回の選挙では、18歳や19歳の未成年の若い人たちも、
投票ができるようになりました。
そのため、テレビや新聞などのマスコミでは、
「若者に政治への関心を持たせるには、どうすればよいか」とか、
「若者に一票の重さを自覚させるには、どうすればよいか」などのような
ことを、
仰々しく騒ぎ立てています。
しかし私は、これまでもそうであったように、
選挙権を与えられたからと言って、何もそんなに、仰々しく構える必要は
ないと考えています。
このことに関しては、以前に書いたエッセイ696「18歳から選挙権」で
述べていますので、以下に抜粋してみましょう。
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エッセイ696からの抜粋
ところで今後、18歳の若さで選挙権を与えられた人は、「どの政党を支持
すれば良いのか」とか、「どの立候補者に投票すればよいのか」などで、もの
すごく悩んだり、迷ったりするかもしれません。
しかし私は、「そんなに難しく考えることはない」と、ここで、若い人たちに
言いたいと思います。
たとえば、いまの現状を見てください。
福島の原発事故が、まったく収束していないにもかかわらず、「原発の再稼働」
を推進させたり、
憲法に違反すると言われる「集団的自衛権の行使」を可能にして、「戦争の
危機」をどんどん高めるなど、
そんな異常なことを強引に進めている政党が、衆議院でも参議院でも、圧倒
的な多数で「第一党」になっているぐらいです。
「国会議員を選ぶために必要な ”大人の判断力” 」などと、偉そうに言ってみた
ところで、所詮(しょせん)は、そんな程度にすぎないのです。
だから若い人たちは、ごく自然に考えて、「少しでもまとも」だと思った政党や
候補者に投票すれば、それで、まったく問題ありません。
私は、若い人たちに対して、選挙が行われたときには、臆(おく)することなく、
面倒がらず、気軽な気持ちで、どんどん投票場に足を運んでもらいたいと、その
ように心から願っています。
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私が、若い人たちに持ってほしい「選挙のイメージ」というのは、以上のような
ものです。
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ところで今回の参議院選挙は、多数派の与党に対抗するため、
「民進党」、「日本共産党」、「社会民主党」、「生活の党と山本太郎となかま
たち」の野党4党が選挙協力をして、
全国にある32の改選1人区の全てにおいて、「統一候補」を擁立(ようりつ)
したことが大きな特徴になっています。
これは、野党の候補が競合して「共倒れ」になることを防ぐのが目的です。
私の知るかぎり、
「共産党までも含めた」野党の選挙協力が行われるのは、おそらく初めて
のことではないかと思います。
それほどまでに野党側は、
安倍政権が憲法改正を進めていることにたいして、「絶対に阻止しなけれ
ばならない深刻な事態だ!」という、共通認識をしているのでしょう。
与党側は、何とかして選挙の争点をずらそうとしていますが、
このたびの参議院選挙は、経済問題よりも、憲法改正の問題の方がずっと
大きな争点であるのは、絶対に間違いありません。
主権者である私たち国民は、
憲法改正に反対であろうと賛成であろうと、そのことをしっかりと念頭に入れ
て、投票に臨むべきだと思います。
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ところで私も、どこの政党に投票をするか決めなければなりません。
それで、選挙管理委員会が発行する「選挙公報」(新聞のようなもの)を
見ていたら、
「国民怒りの声」という、なかなか興味深い政党が、新しく設立していま
した。
この党の代表は、
小林節(せつ)さんという憲法学者(慶応大学名誉教授)ですが、
かつては改憲論者であり、自民党の憲法改正案を作るための「ブレーン」
として関わっていました。
ところが!
昨年の「安保法制」をめぐる国会審議で、小林さんが参考人として出席
したとき、
自公政権案は「立憲主義を踏みにじる」と、反対答弁をしたのです。
これがきっかけとなり、安保法制に反対する、社会的な運動の流れが
作られたといいます。
ちなみに、
「国民怒りの声」の設立宣言には、以下のような文言(もんごん)があります。
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私たちは、安倍政権の暴走は止めたいのだが、かといって、未だに民主党
政権の失政を赦すことができず、また、共産党に投票する気にもなれない多数
の有権者の代弁者たらんとして、ここに第三の旗を立てることにした。
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このような政治感覚を持っている有権者の方には、まさにぴったりとした政党
ではないでしょうか。
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以上、今度の参議院選挙について、私の思うことを書いてみた次第です。
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