回転寿司
                            2015年10月4日 寺岡克哉


 総務省の公表によると、今年の9月15日現在で、

 65歳以上の高齢者の「人口」が、3384万人になったみたいです。


 また、

 65歳以上の高齢者が、日本の総人口に占める「割合」は、26.7%
となっており、

 高齢者の「人口」と「割合」の両方ともに、「過去最高」となりました。


             * * * * *


 ところで先日・・・ 

 私の家族と親戚とで、「回転寿司」に行ってきました。

 じつは私は、回転寿司には、10年以上も行ったことがありませんで
した。



 ちなみに、

 私の家から、いちばん近くにある回転寿司屋は、地元ではちょっと
有名な店で、

 平日の昼間だというのに、席につくのに待たされるほど、人が混(こ)
んでいました。



 そのため、

 しばらく待合席に座(すわ)って、店内を眺(なが)めていたのですが、

 なんと、店が混むほど入っている客のほとんどが、「高齢者」の人だっ
たのです。



 いくら「高齢者社会」が進んでいるとは言え・・・ 

 たとえば「病院」なら、高齢者の人たちで混雑していても、ぜんぜん
不思議ではありませんが、

 しかし「昼間の回転寿司屋」が、こんな状態になっていたとは、夢にも
思っていませんでした。


 じつに大変な世の中に、なってきたものです。


           * * * * *


 私は、待たされている間ずっと店内を見渡していたのですが、

 そのとき私の心の中では・・・ 



 なぜ高齢者の人たちは、平日の昼から寿司を食べているのか?

 やはり高齢者たちは、ワーキングプアと呼ばれる若者たちよりも、
お金をたくさん持っているのか?

 これら高齢者の人たちは、日本の高度経済成長期をうまく生き
抜いてきた、
 そして幸運にもリストラに合わなかった、いわゆる「勝ち組」の人
たちなのか?


 などの疑問が、つぎつぎと湧(わ)き起っていました。


         * * * * *


 おそらく、このときの私は、

 空腹で待たされたために、ちょっとイライラしており、

 すこし僻(ひが)みっぽい思考になっていたのかも知れません。



 というのは、寿司を食べ終わって満腹になったら、

 ひょっとして高齢者の人たちは、家で出前の寿司を注文しても、
「一人前」は量が多くて、食べきれないのではないか?

 と、考えるようになったからです。



 そういえば、高齢者の人たちは、

 ラーメンや、かつ丼などでも、「一人前」は量が多すぎて、

 おそらく食べきれないのでは、ないでしょうか。



 ところが回転寿司は、「一人前」という決まった量でなく、

 好きなネタだけを、好きな量だけ食べることができます。



 それで高齢者の人たちは、

 平日の昼食であっても、回転寿司屋に入るのではないかと、

 思い直した次第です。


            * * * * *


 ちなみに私は、

 久しぶりに回転寿司に行ったので、年甲斐もなく目移りがして、

 すでに腹がいっぱいなのに、さらに色々なネタの寿司を食べて
しまいました。


 そのため、

 ものすごく食べ過ぎて、胃の調子が悪くなり、

 しばらく寿司を見るのが嫌(いや)になってしまったほどです。


 まことに、お恥ずかしい限りです・・・ 



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