巨大噴火より100倍も危険
                            2015年8月23日 寺岡克哉


 先日の8月11日に、鹿児島県にある川内(せんだい)原発が再稼働
しましたが、

 その以前から、この川内原発に対しては、「火山の危険性」というの
が指摘されていました。



 とくに最近では、

 川内原発がある、おなじ鹿児島県内の「桜島」で、規模の大きな噴火
が発生する可能性が高まっており、

 「ほんとうに川内原発は大丈夫なのか?」と、ものすごく不安に感じて
しまいます。



 ところで・・・ 

 「巨大噴火」と言われるものが、1万年に1回ていどの割合で、発生
しているそうです。

 そのような「巨大噴火」が起こると、ものすごく大量のマグマが噴(ふ)
き出して、火砕流が広がり、地表が沈没して「カルデラ地形」というの
が出来ます。

 そして川内原発の周辺には、「姶良(あいら)カルデラ」など、過去に
巨大噴火が起こった火山が集中しています。

 そのため、川内原発にたいする火山の危険性が、以前から指摘され
ている訳です。



 たとえば、

 姶良カルデラなど川内原発周辺の火山に詳しい、

 日本大学の高橋正樹・教授(火山地震学)は、以下のように指摘して
います。

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 噴火予知には限界があり、1万年に1回の巨大噴火を予測すること
は、ほぼ不可能。
 地殻変動の観測などにより、「予測できる」とする規制委(原子力規制
委員会)の考えは、まやかしだ。

 川内原発でも姶良カルデラで「巨大噴火」が起こる可能性は、ゼロ
ではない。その場合は原発だけの問題ではなく、南九州一体が壊滅
する。

 もっと小さな噴火にしても、降り続く火山灰にどう対処するかなど、
規制委や九電(九州電力)の想定はリアリティーがない。
 (火山灰が)5センチ積もればどうするか。10センチ降って機器に
異常が出れば、どうするか。現実的な対応を考えるべきだ。

 原発は危険なものであり、この火山列島で稼働させるのは「政策的
な判断」による。
 本来は安全性の審査ではなく、噴火や地震があるとの想定で
危機管理が適正かを審査するべきだ。

 100%の安全はありえない。可能性は低くても、必ず起こると
想定して対策を練るのが危機管理だ。

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 私は、うえの高橋教授の指摘で太字にした部分、

 「本来は安全性の審査ではなく、噴火や地震があるとの想定で
危機管理が適正かを審査するべきだ」

 「100%の安全はありえない。可能性は低くても、必ず起こると
想定して対策を練るのが危機管理だ」

 これらの中でも、

 とくに「危機管理」という考え方に、すごく注目してしまいました。


             * * * * *


 ところで!

 上で注目した「危機管理」という考え方からすると、

 巨大噴火よりも、さらにもっと心配なことがあります。

 それは・・・ 

 原発が、「テロ攻撃」や「軍事攻撃」を受けてしまうことです!



 たとえば「巨大噴火」は、1万年に1回ぐらいの割合で起こると
されていますが、

 しかし「戦争」は、100年に1回ぐらいの割合で起こっても、まっ
たく不思議ではありません。



 このように考えると、

 巨大噴火が起こって、原発が襲われる可能性よりも、

 戦争が起こって、原発が「軍事攻撃」を受ける可能性の方が、

 100倍ぐらいは高いことになるのです。

 (1万年÷100年=100倍 つまり、巨大噴火は1万年に1回だけ
ど、戦争は1万年あたり100回起こる。)



 しかも、さらに、

 安保関連法案が成立して、「集団的自衛権」が行使されるならば、

 日本が戦争に巻き込まれ、原発が「軍事攻撃」を受ける可能性が
さらに増すのは、


 まず絶対に間違いありません。



 上で高橋教授が指摘していたように、

 「(原発再稼働の審査は)本来は安全性の審査ではなく、(噴火や
地震が)あるとの想定で危機管理が適正かを審査するべき」であり、

 「可能性は低くても、必ず起こると想定して対策を練るのが危機
管理
」であるのならば・・・ 


 原発再稼働の審査は、「テロ攻撃」や「軍事攻撃」が必ず起こる
と想定した上で、行なわなければならないのです!




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