嫌な予感            2014年8月17日 寺岡克哉


 今年の8月15日で、太平洋戦争の終結から69年目になりました。

 この時期になると、テレビや新聞では「戦争特集」をやるので、

 何となく、そちらの方へ思考が向いてしまいます。



 それは毎年のことですが、

 しかし今年は、とくに「嫌な予感」がしてなりません。



 その理由として、たしかに、

 「集団的自衛権」の行使が容認されようとしていることもありますが、

 しかし、それだけでなく、あえて大げさな言い方をすると、

 世界全体が、「第3次世界大戦」へと向かっているのではないか?

 というような、そんな「ものすごく嫌な予感」が、してならないのです。



 なぜ、そのような「嫌な予感」がするのか、

 この場で、すこし書きとめておきたいと思いました。


            * * * * *


 まず最初に、結論から言ってしまうと、私が「嫌な予感」がするのは、

 日本の近隣諸国や、南シナ海、中東、そしてウクライナなど、

 世界各地における多数の国々や地域で、対立や衝突が激化している
からです。



 以下、それらについて、とても大ざっぱにですが見て行きましょう。



●中国

 尖閣諸島の周辺海域で、断続的に行われている「領海侵犯」や、

 尖閣諸島の上空を含む「新たな防空識別圏」の設定によって、
日本との対立が激化しています。

 また、

 南シナ海の「南沙諸島」では、ベトナムやフィリピンなどの国々と、
領有権をめぐる対立が激化しています。



●北朝鮮

 核兵器の開発をめぐって、アメリカ、中国、ロシア、韓国、日本と対立して
います。

 とくに日本とは、「拉致被害」の問題についても対立しています。

 北朝鮮は、日本海に向けてミサイルやロケット弾の発射をくり返すことで、
「威嚇(いかく)」を続けています。



●韓国

 歴史認識や従軍慰安婦、竹島の領有権問題をめぐって、日本との対立
が深まっています。

 とくに最近は、今年の防衛白書で「竹島の領有権」を主張したことにより、
韓国側が激しく反発しています。



●ロシア

 クリミアの併合に続き、ウクライナ東部への「軍事介入」の懸念が高まっ
ています。

 また、北方領土で軍事演習を行ったことにより、日本との対立も深まって
います。



●ウクライナ

 ウクライナ東部において、「親ロシア派」との内戦状態になっています。

 また、この内戦状態にたいする、ロシアの軍事介入が懸念されてい
ます。



●シリア、イラク、イスラム国

 長く続いている「シリア内戦」の中から、反政府イスラム過激派組織の
1つが台頭して「イスラム国」の樹立を宣言し、

 シリアの西部から、イラクの北部にまたがる地域を制圧しています。



●イスラエル、ガザ

 イスラム原理主義組織の「ハマス」が実効支配しているパレスチナの
ガザ地区と、イスラエルとの紛争が起こっています。



●イラン

 核開発や、ミサイル開発の問題が懸念されています。

 また、シリアやイラクへの「影響力の拡大」も懸念されています。


            * * * * *


 以上のように、

 世界各地における多数の国々や地域で、対立や衝突が激化しているの
を見ると、

 世界中で鬱憤(うっぷん)が溜まっているというか、すごくヒステリックに
なっているような、そんな空気を感じてなりません。



 それで私は、

 「第3次世界大戦に向かっているのではないか?」という、

 とても「嫌な予感」がしてならないのです。



 ところで、

 とくに「第3次世界大戦」に発展する可能性が大きいものとしては、

 イスラム国の台頭に対する、イランとアメリカの全面的な軍事介入。

 あるいは、

 ウクライナに対するロシアの全面的な軍事介入と、それに対する欧米
諸国との大規模な軍事衝突。

 などの有事が起こった場合が、考えられるかと思います。



 そんなことに、絶対にならないよう、

 関係諸国には、あくまでも「冷静な対応」をとるようにと、心から願って
やみません。



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