原発が攻撃される危険性 1
2014年6月8日 寺岡克哉
近ごろ、安倍政権による、
「集団的自衛権(注1)」の行使を容認させようとする動きが、
ものすごく活発になっています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
注1 集団的自衛権:
「集団的自衛権」というのは、自国と密接な関係にある国が、他の国から
武力攻撃を受けた場合に、
自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもってそれを
阻止する権利のことです。
この「集団的自衛権」を、例えば日本にあてはめた場合は、
同盟国であるアメリカが攻撃を受けたときに、「日本が直接攻撃されて
いなくても、日本は武力行使をする」ことを意味します。
ちなみに「集団的自衛権」は、国連憲章の第51条によって、すべての
加盟国に認められた権利です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
たしかに・・・
中国による、尖閣諸島の周辺海域における領海侵犯や、尖閣諸島
の上空を含む「新たな防空識別圏」の設定。
あるいは北朝鮮による、核実験やミサイル発射の問題など、
日本のすぐ隣の国々にたいして、「軍事的な脅威」を感じるように
なってきました。
なので、
日本とアメリカが一致協力して、中国や北朝鮮の脅威に対抗したい
という気持ちも、
まったく理解できない訳ではありません。
恐らく、そのような理由で、
集団的自衛権の行使容認にたいする、日本国民の「反対世論」が、
それほど盛り上がらないのでしょう。
* * * * *
ところで・・・
集団的自衛権の行使容認における「問題点」といえば、
もっぱら、「憲法解釈の問題(注2)」について議論されています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
注2 憲法解釈の問題:
これまで日本政府は、
国連憲章で認められているように、「日本も、国際法上は集団的自衛権
を有している」けれど、
「憲法9条」の下で認められている自衛権の行使は、「日本を防衛
するための必要最小限度の範囲」にとどまるべきものであり、
集団的自衛権を行使することは、その「範囲」を超えるものであって、
憲法上許されないという、立場を採(と)ってきました。
しかし安倍政権は、
これまで日本政府が採ってきた、上のような憲法解釈を変更して、集団
的自衛権が行使できるように、しようとしています。
ちなみに日本国憲法の第9条は、以下のようになっています。
第9条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の
発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する
手段としては、永久にこれを放棄する。
第2項
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
たしかに、
集団的自衛権の行使を容認させるためには、
まず第1に、「憲法解釈の問題」を何とかしなければ、どうにもならないの
でしょう。
しかし私は、
いくら難しい理屈を駆使して、何とか「憲法解釈の問題」を切り抜けたと
しても、
やはり、集団的自衛権を「実際に行使」してしまった場合には、
それとは全く別の、「ものすごく大きな問題」が発生するように思えて
なりません。
つまりそれは、
日本の「原発が攻撃される危険性」です!
* * * * *
もしも、集団的自衛権が行使された場合・・・
アメリカ軍が攻撃を受けて、それを援護しなければならない状況に
陥(おちい)ってしまったら、
おそらく、日本の自衛隊は「実際に戦闘する」ことになるでしょう。
もしも、そうなったら、
アメリカに敵対する側によって、日本も「報復攻撃の対象にされる」
のは、
まず間違いありません。
なので、
集団的自衛権が行使されたら、「日本も戦争に巻き込まれてしまう」
という批判があるのも、まったく当然だと思います。
しかしながら・・・
「日本が戦争に巻き込まれる」とか、「日本も報復攻撃の対象にされる」
というのは、
なにも、日本から遠い戦地においてのみ、自衛隊が攻撃されるだけでは
ありません。
たとえば日本の原発が、「テロ攻撃」や「軍事攻撃」を受ける危険性
も、絶対に考慮しなければならないでしょう。
もしも、そのような危険性を「想定外」だとするならば、あまりにも
「平和ボケ」に過ぎます!
おそらく、集団的自衛権が実際に行使されたら、
「地震」や「津波」によって、原発が甚大な被害を受ける危険性よりも、
「テロ攻撃」や「軍事攻撃」によって、原発が甚大な被害を受ける危険性
の方が、
ずっと、ずっと、大きなものになるでしょう。
* * * * *
私は、このような理由から、
日本の「原発が攻撃される危険性」を、すこし本気になって、
調べなければならないと思うようになりました。
今ここで、ざっと思いつくことを挙げると・・・
攻撃を仕掛けてくる可能性のある国や勢力は、
北朝鮮、中国、中東の反米国家、イスラム過激派などが、考えられるで
しょう。
また、攻撃の方法としては、
日本に潜伏している工作員によるテロや、ミサイルや爆撃機による空爆
などが、考えられるかと思います。
次回から、
そのような「原発が攻撃される危険性」について、すこし詳しくレポートして
行きたいと思いますが、
こんなことを、本気になって調べる必要が出てきたなんて、ほんとうに嫌な
世の中になったものです。
目次へ トップページへ