安倍政権に思うこと 3
2013年12月15日 寺岡克哉
今回は、
最近の安倍政権について、私の思っていることを、お話したいと思い
ます。
* * * * *
まず、12月6日。
安倍政権の強行によって、「特定秘密保護法」が成立してしまい
ました。
この法律について、
共同通信社が12月8日〜9日に実施した、全国緊急電話世論調査
によると、
特定秘密保護法に「不安を感じる」と回答した人が70.8%を占め
ています。
上の「不安を感じる」と答えた人について、さらに具体的な理由を2項
目まで挙げてもらったところ、
「報道機関の取材が十分にできなくなる」 40.4%
「一般の人が処罰の対象になりかねない」 35.6%
「秘密指定が十分にチェックされない」 35.3%
が、上位の3つとなっていました。
このように世論調査では、特定秘密保護法の成立により、
機密を漏らした公務員だけでなく、民間人も処罰の対象にされる
ことや、
秘密指定が際限なく広がって、「国民の知る権利」が奪われること
など、
「一般人としての通常の生活が脅かされるかもしれない」と、大部分
の人が不安を感じているのが、明確に表れています。
* * * * *
また、安倍首相は12月9日の会見で、
12月4日に発足した日本版「国家安全保障会議(NSC)」に関連して、
「国家安全保障局」というのを、来年の初めにも発足させ、
初代局長には、谷内・内閣官房参与を充(あ)てることを、正式に表明
しました。
さらに政府は、12月11日。
外交・安全保障政策の指針である「国家安全保障戦略」に、
「武器輸出三原則の見直し」や「愛国心」を明記することを、
自民・公明両党に説明し、了承を得ました。
「武器輸出三原則」は、紛争当事国などへの武器や関連技術の輸出
を禁じるものですが、
12月17日に閣議決定される「国家安全保障戦略」では、
「同盟国との技術協力の強化や、わが国の防衛生産の維持・強化の
観点から、在り方を検討する」と、抜本的に見直しをする必要性を強調
しています。
政府・与党は年明けにも、武器輸出を原則可能とする新たな基準
を策定し、防衛産業の育成にもつなげる狙いです。
「愛国心」については、「国家安全保障戦略」における「社会的基盤
の強化」という項目で、
「諸外国やその国民に対する敬意を表し、わが国と郷土を愛する心
を養う」と明記します。
これによって、
安保戦略への国民の理解を高めて、社会的基盤を強化するために
は、「愛国心」を養う必要があることを明確に打ち出しています。
* * * * *
以上、ここまで見てきて私は思うのですが、
特定秘密保護法の成立・・・
国家安全保障局の発足・・・
武器輸出の解禁・・・
防衛産業の育成・・・
愛国心・・・
12月6日〜11日の、たった6日間という超スピードで、
ものすごく「きな臭い」話になってきました。
いよいよ、安倍政権が「本性」を現してきたのでしょう。
たしかに、
尖閣諸島周辺の領海侵犯や、新たな防空識別圏の設定など、
「中国の脅威」というのが、その背景にあるのだろうと思います。
しかしながら安倍政権は、
その中国の脅威を「ダシ」に使って、右翼化というか、軍国主義化と
いうか、
そのような方向に、日本を向かわせているように思えてなりません。
とにかく、
安倍政権による「強引なやり方」は、スピードがものすごく速すぎる
ため、
ひろく国民にたいして、考える時間や議論する時間を、まったく与え
ないのです。
その証拠に、たとえば「特定秘密保護法案」にしても、
危険性が国民にひろく知れ渡ったのは、衆議院の強行採決で
「可決された後」でした。
その後、多くの国民が不安を感じるようになり、秘密法案に反対する
世論がいくら高まっても、
参議院を通過するのは時間の問題であり、まったく「後の祭り」だった
わけです。
こんな「やり方」をされては、たまったものではありません!
何とかして、安倍政権にたいする「ブレーキ役」が出現してほしいと
願っていますが、
それを、自民・公明の「与党内」に期待するしかないのが、なんとも
情けないところです。
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