35万トンの汚染水が流出
2013年8月11日 寺岡克哉
東京電力は、8月2日。
福島第1原発の護岸から、1日あたり400トンの地下水が、海に
流出し続けていた可能性があると、原子力規制委員会に報告しました。
ちなみに、
原発の護岸付近では、トレンチ(配管やケーブルを通す地下トンネル)
などに、大量の汚染水が溜まっています。
そして一方、
原発の専用港で採取した「海水」においても、高い値の放射性物質が
検出されています。
これら2つの事実から、
トレンチに溜まった汚染水が、地下水に混じって流出し、海洋汚染
が今でも続いていることは、ほぼ間違いありません!
汚染水の流出が始まった時期は不明ですが、
原発事故が発生した2011年3月11日に、流出が始まったとして、
流出した汚染水の「最大だと思われる量」を計算してみましょう。
そうすると、
今日(2013年8月11日現在)までの、2年5ヶ月(884日)の間ずっと、
1日あたり400トンの汚染水が流出したので、400×884=353600
となり、
最大で、35万3600トンの汚染された地下水が、海に流出した
可能性があります!
* * * * *
一方、経済産業省の「資源エネルギー庁」は、8月7日。
福島第1原発から、海に流出している汚染水の量が、
1日あたり300トン(ドラム缶1500本分)に上るという試算を、初めて
公表しました。
その試算によると、
福島第1原発の、1号機〜4号機周辺の地下には、毎日およそ1000
トンの地下水が、山側から流れ込んでいるとしています。
このうち400トンが、原子炉建屋の地下に流入しており、
残りの600トンについては、その半分の300トンが、護岸付近のトレン
チ内にある「高レベル汚染水」が混じって、「汚染水」として海に流出し、
最後に残った300トンは、汚染されずに海に流出しているとしています。
また、
「流出が始まった時期」は分からず、
事故直後から続いている可能性は「否定できない」ということです。
ここで、
原発事故が起こった2011年3月11日に流出が始まったとすれば、
今日(2013年8月11日現在)までの、2年5ヶ月(884日)の間ずっと、
1日あたり300トンの汚染水が流出したので、300×884=265200
となり、
26万5200トンの汚染された地下水が、海に流出したことになります。
* * * * *
毎日、毎日、毎日、毎日・・・
300トン〜400トンの放射能汚染水が、海に流出している!
こんな、ものすごく大変なことが、
原発事故の発生から2年5ヶ月もの間、
まったく知らず(恐らく知らされず)にいたのです!
太平洋側で獲れた魚は、ほんとうに食べても大丈夫なので
しょうか?
福島第1原発が、こんなに酷(ひど)い状況なのに、ほんとう
に原発を「再稼動」しても良いのでしょうか?
まったく、国民を愚弄(ぐろう)しているとしか思えません!
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