インフルエンザが猛威!
2012年2月19日 寺岡克哉
今シーズンは、インフルエンザが猛威を振るっています!
国立感染研究所によると、
1月30日〜2月5日までの1週間に、医療機関で受診をした
インフルエンザ患者数は、全国でおよそ211万人と推計されて
います。
これは、2006年に推計値の公表を始めて以来、最高の値と
なっており、
2009年に流行した、「新型インフルエンザ」のピークである、
1週間で189万人を上回っています。
休校や学級閉鎖に追い込まれた、保育所、幼稚園、小学校、
中学校、高校は、全国で8578施設にのぼり、
すでに全国各地で「死者」も出ており、すごく深刻な事態になっ
ています。
昨年の9月〜今年の2月12日まで、今シーズンにおけるイン
フルエンザの、推計患者数の合計は810万人に上っており、
患者のおよそ9割が、「A香港型」のウィルスだといいます。
じつは・・・
このたび私も、インフルエンザに罹(かか)ってしまいました。
一時は体温が39度以上になりましたが、私がそんな高熱を出し
たのは、おそらく15年ぶりくらいだと思います。
病院へ行くと、(鼻から細い棒を入れる)インフルエンザの検査
を、生まれて始めてやりましたし、
インフルエンザの治療薬は、「タミフル」かとばかり思っていまし
たが、私に処方されたのは「イナビル」という吸入型の薬でした。
このように、いろいろと珍しい体験をしましたので、今回は、それ
についてレポートしたいと思いました。
* * * * *
・・・ じつは私は、虚弱体質というか、風邪をひきやすい体質な
ので、
外出から帰ってきたら、手洗いと、うがいを、毎日徹底してやっ
ています。
しかしそれでも、ひどい年は、1年に5回くらい風邪をひいてしま
うこともあります。
ところが不思議なことに、いつも罹るのは普通の風邪で、インフ
ルエンザに罹ったことはありませんでした。
2009年に、新型インフルエンザが流行したときも、私はぜん
ぜん平気だったのです。
ところが!
このたび罹った風邪は、いつもと様子が、まったく違っていたの
です。
以下、今回ひいた風邪の経過について、お話して行きましょう。
まず、2月10日の夜。
ちょっと風邪気味だと思ったので、値段の安い、ふつうの市販
の風邪薬を飲んで寝ました。
2月11日の夕方。
体温が37度5分になり、「やはり風邪をひいてしまった!」と、
観念しました。
しかし、これくらいの熱は、いつものことなので、あまり気にしま
せんでした。
同日の夜。
体温が38度8分まで上がり、「これは重症の風邪だ。病院に
行かなければダメだ!」と思いました。
しかし翌日の2月12日は、日曜日で病院が休みだったため、
解熱剤が強化された値段の高い風邪薬(第1三共ヘルスケアの、
カコナール カゼプロックUP錠)を、買って飲むことにしました。
2月12日の晩。
体温が39度4分まで上がり、「これは普通の風邪ではない!」
と思いました。
こんなに体温が上がったのは、私にとって、おそらく15年ぶり
くらいのことだと思います。
しかし、このときに味わった感覚は、熱に浮かされて意識が朦朧
(もうろう)とするのではなく、体がガタガタと震えて、ひたすら「寒い」
という感じでした。
とにかく、「体温を早く下げなければ!」と思い、
吐き気がして、食欲がまったく無かったのですが、茶碗に半分くら
いのご飯に味噌汁をかけて、ザパッと胃に流し込み、
この日に買ってきた「カコナール」を飲みました。
1時間ほどすると、体温が38度くらいに下がり、
食欲が出てきたので、体力が落ちないようにするために、しっかり
と食事を取りました。
その後、体温が38度5分を超えないように、6時間おきにカコナー
ルを飲み、病院が開く2月13日の朝を待ったのです。
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※注意!
後から知ったのですが、インフルエンザに罹った場合、とくに15
歳未満の子供に、「アスピリン」や「ボルタレン」などの解熱剤を使う
と、「脳症」になる恐れがあるそうです。
私が何も知らずに使ったカコナールの、解熱剤の成分は「イブ
プロフェン」で、私の場合は幸いなことに、それで何ともありません
でした。
そしてそもそも、このとき私は、インフルエンザに罹っていたこと
さえ、知らない状態だったのです。
しかしとにかく、すごく高い熱が出て、インフルエンザの疑いがある
ときには、今後使用する解熱剤に、注意が必要だと痛感しました。
とくに小さなお子さんを、お持ちの方々は、くれぐれも注意して
ください!
インフルエンザに罹ったときに、いちばん推奨されている解熱剤
は「アセトアミノフェン」で、私が病院で処方されたのもこれです。
しかし人によっては、「副作用」が出ることがあるかも知れないの
で、やはり素人判断をせず、医者に相談するべきです。
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* * * * *
2月13日の朝。
体温が36度8分まで下がっていました。
しかしながら、昨晩には、すごく高い熱が出ましたし、
胸がゼーゼーして、痰のからむ咳が出るので、呼吸器が心配
になり、
やはり、病院に行って診察を受けることにしました。
病院へ行くと、けっこう混んでいました。予想した通り、風邪が
流行っているみたいです。
やっと私の順番が来て、診察室へ入り、
「昨晩に、39度4分の熱が出ました」と、病院の先生に話したら、
先生は、「ふつうの風邪なら、そんな高熱は出ない。これはイン
フルエンザかも知れない」と言って、すぐにインフルエンザの検査を
やることになりました。
先生は、まっ白の細長い棒を取りだし、「この検査を受けたことが
ありますか?」と、私に聞きました。
私は、「ありません。テレビで見たことはありますが、その棒を鼻
から入れるのでしょう」と答えました。
すると先生は、「これは”いや〜な検査”で、これほど”いや〜な
検査”は、めったに無いぐらいです」と、かなり不快な検査である
ことを強調し、念を押しました。
そして細長い棒を、左の鼻の穴から、ゆっくりと入れて行ったの
です。
・・・ ・・・ 。
いや〜 じつに不快な検査でした!
鼻の穴から、ず〜っと奥まで、それこそ喉の方まで、細長い棒を、
ゆっくりと、ゆっくりと、徐々に入れて行き、そして引き出すのです。
べつに痛くはありませんが、鼻の奥がものすごく「ムズムズ」して、
「くしゃみ」が出そうになるのを我慢するのが大変でした。
検査が終わるまで、30秒くらいだったと思いますが、私の実感と
しては、その何倍にも時間が長く感じられました。
左の鼻の穴から、細長い棒を入れましたが、そちら側の目、つま
り左目から涙が出てきました。
病院の先生は、「この検査は、くしゃみも出れば、涙も出る」と、
説明してくれました。
その後10分ほどすると、検査の結果が出て、「A型のインフル
エンザ」だということが判明しました。
この検査は、A型のウィルスか、もしくはB型のウィルスかしか
分からない、簡易的なものですが、
今シーズンのインフルエンザ患者の、およそ9割が「A香港型」
のウィルスだと報道されているので、
私の検査結果が「A型」と出たのは、とても理に適っていると思い
ました。
診察が終わり、薬の処方箋をもって病院内の薬局へ行くと、
「イナビル」という、吸入型のインフルエンザ薬が出されました。
薬局のお姉さんが、「この薬を使ったことがありますか?」と聞い
たので、
私は、「ありません」と答えると、
お姉さんは、「それでは、この薬は早く使うほど良いので、今ここ
で薬を使いましょう」と言って、使い方を説明してくれました。
「イナビル」が入っている容器は、ちょうど目薬の容器と同じよう
な、大きさと形をしていました。
目薬のような容器の、突起が出ている部分に、自分の口をつけ
て、「スーッ」と深くゆっくり吸い込むのです。
10歳未満の子供は使用量が1本で、10歳以上は2本使います。
1本につき、「スーッ」と合計で4回の吸引を行なうので、大人の
場合は、合計8回の吸入を行います。
しかし、たったそれだけなのです!
もう、これ以降は、インフルエンザ薬を使う必要が、無いのだ
そうです。
薬局のお姉さんから、「これで、インフルエンザの治療は終わり
です」と説明されました。
あとは、ふつうの風邪のときと同じ薬を、5日分もらいました。
その後、自宅に帰っても、38度以上の熱が出ることは無くなり、
翌日の2月14日からは、36度台の平熱にもどりました。
しかしながら、
頭痛と、肩、背筋、腹筋の筋肉痛、そして痰のからむ咳は、
2月16日まで続きました。
また、食事のとき、マヨネーズとケチャップが、ずいぶん「薬臭く」
感じたのが、ちょっと変わった体験でした。
* * * * *
ところで!
インフルエンザの患者は、発症してから3日〜7日間はウィルス
を排出すると言われています。
なので、熱が下がっても、しばらくは外出を控え、
どうしても外出をしなければ、ならないときは、必ずマスクをする
べきです。
文部科学省は、2月16日。
児童生徒や学生が、インフルエンザを発症した場合の、小中
高校や大学の「出席停止期間」について、
「解熱した後2日間」としている現行の基準を、
「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日間」というように、見直す
方針を決めました。
幼稚園児については、「発症後5日を経過し、かつ解熱後3日間」
に改められます。
これは、
インフルエンザの発症後、5日たてば、ウィルスがほとんど検出
されなくなるという研究報告を、踏まえた対応になっています。
周囲の人々にインフルエンザをうつす可能性がある期間内でも、
薬で熱が下がったとして、早期に登校するケースが増えているた
め、新しい基準を設けることになりました。
学業や仕事が、忙しいこととは思いますが、
インフルエンザを拡大させないためにも、病気に罹ったときは、
しっかりと休養をとりたいものです。
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