2012年に向けて 2012年1月1日 寺岡克哉
年が明けて、2012年になりましたね。
私事ですが、年末の大掃除も、年越しも、どうにか無事に
行うことができました。
昨年は、いろいろと大変だった方々が、とてもたくさん居られた
でしょうが、
今年は皆さんにとって、少しでも良い年になりますよう、心から
祈っております。
* * * * *
さて、
昨年は「不信に満ちた年」だったと、前回の記事で書きまし
たが、
まず今年は、「信頼回復の年」とか、「真相究明の年」に
してもらいたいと、たいへん強く願っています。
というのは、たとえば年が明ける前の12月26日に、
政府の「東京電力福島第1原発事故調査・検証委員会」は、
「中間報告書」を出しましたが、
それによると、
原子炉の冷却操作に、不手際や認識不足があり、炉心損傷
を早めた可能性が指摘されており、
東京電力は事業者として「極めて不適切だ」と、きびしく
批判しています。
今年の夏には、「最終報告書」が出ることになっていますが、
ぜひ、その時までに、
「なぜ、メルトダウンを防ぐことが出来なかったのか?」
「なぜ、早期に住民を避難させることが出来なかったのか?」
「事故の状況について、情報の隠蔽(いんぺい)は無かった
のか?」
「政府の対応は適切だったのか?」
などなどの疑惑に深くメスを入れて、事故の「真相究明」を
してもらいたいと思います。
また今年は、食品に含まれる「放射性セシウム」の基準値を、
1キログラムあたり500ベクレルから、100ベクレルに引き
下げるみたいですが、
その実行と、ほんとうに1キロあたり100ベクレル以下の
放射能になっているかという検査を、
確実に、徹底してやってもらい、食品の「信頼回復」に努めて
もらいたいと思います。
* * * * *
ところで、
今年の夏(7月1日)から、「再生可能エネルギー特別措置法」
が施行され、
この法律により、「固定価格買い取り制度」というのが導入され
ます。
つまり、
事業者が、太陽光や風力などの「再生可能エネルギー」によっ
て発電をした場合、
その電力の「全量」を、決められた固定価格で買い取るように、
電力会社にたいして義務づけられるのです。
(家庭用の太陽光発電については、今までと同じように、余剰
電力のみの買い取りとなります。)
現在、「地球温暖化」が進行中であり、
二酸化炭素排出の削減が、人類全体にとって急務の課題と
なっています。
しかし、その一方で、
日本では福島第1原発の事故が起こり、(二酸化炭素を出さ
ない)原子力発電を、もはや推進することが出来なくなってしま
いました。
そのため、とくに日本では、
再生可能エネルギーの拡大が、「最重要の課題」になってい
ます。
* * * * *
ところで現在、イランの核開発問題により、国際社会の緊張
が高まっています。
とくにアメリカは、イランに対する経済的な制裁を、強化しよう
としていますが、
イランはそれに対抗して、ホルムズ海峡(ペルシャ湾の出入り
口)を、封鎖すると警告して来ました。
日本は、輸入している石油の大部分を、ペルシャ湾岸の国々
に依存しており、
もしも石油タンカーが、ホルムズ海峡を通れなくなると、日本
は「大打撃」を受けてしまいます。
このように石油は、国際情勢によって左右される、とても不安
定なエネルギー資源なので、
日本の安定と安全を守るためにも、
原発や石油にたよらない「再生可能エネルギー」を、大々的に
拡大する必要があります。
なので今年は、
「脱原発」と「脱化石燃料」へと、国の方針を大転換する、
「元年」になってもらいたいとも、私は思っています。
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