2011年を振り返って
                           2011年12月25日 寺岡克哉


 今年は、日本にとって「最悪の年」でした!


 まず、2011年1月の早々から、

 九州にある新燃岳(しんもえだけ)が、52年ぶりに「爆発的な噴火」
をしました。

 今にして思えば、まずこれが、その後にやってくる「大いなる災い」
を、暗示していたようにも感じます。



 そして3月に起こった、

 東日本大震災・・・

 福島第1原発の事故・・・

 おそらく2011年は、今後の日本史にでさえ、特記される
べき年になったと思います。



             * * * * *


 そしてまた、今年も、

 世界の各地で、「大規模な気象災害」が発生しました!



 1月早々にオーストラリアでは、日本の国土の3.7倍もの面積
が災害地域に指定されるような、「大洪水」に見舞われました。


 また同じ1月には、ブラジル、スリランカ、南アフリカでも、豪雨
による「洪水」や「土砂崩れ」が発生しています。


 7月になると、タイが「大洪水」に襲われ、日系企業も被害を
受けました。


 また12月になると、季節はずれの台風が発生し、フィリピン
に被害をもたらしました。



 ところで・・・ 

 「地球温暖化」が進むと、海水の蒸発が活発になり、

 どうしても「はげしい豪雨」が降りやすくなります。

 これはもう、誰にも否定できない、とても明確な因果関係です。



 だから、

 世界各地で多発している、豪雨や洪水などの気象災害は、

 「地球温暖化」と、決して無関係ではありません!



             * * * * *


 ところで今年は、中東や北アフリカの国々で、政情が不安定に
なりました。


 まず1月に、チュニジアで暴動や反政府デモが起こり、ベンアリ
大統領が、出国・亡命する事態となりました。

 2月には、エジプトで暴動や反政府デモが起こり、ムバラク大統
領が辞任しています。

 その他、ヨルダン、シリア、イエメン、アルジェリア、モロッコなど、
中東や北アフリカのさまざまな国々で、暴動や反政府デモが連鎖
的に起こりました。



 これらの政情不安には、さまざまな原因が考えられます。

 しかし、その一因として、

 「地球温暖化による気候変動」で、世界的に洪水や干ばつが
起こり、

 農業が打撃をうけて、「食料の価格が高騰していた」ことも、
決して否定できません。



 そしてまた、

 リビアでも2月に、反政府デモが激化して「内戦状態」となりま
した。

 アメリカ、イギリス、フランスなどが、反政府側に味方をして
軍事介入しましたが、なかなか終息させることができず、

 10月に、カダフィー大佐が拘束・殺害されるまで、内戦状態
が続きました。



 11月には、エジプトで再びデモが起こりました。

 シリアでは、3月から続いていた反政府デモへの弾圧により、
12月12日までに、5000人以上の死者が出たとされています。



 ところでまた、現在、

 イランでは「核開発の疑惑」が持たれ、アメリカを中心とした
世界の国々から、経済的な圧力がかけられています。

 しかしイランは、核開発を止めようとしないどころか、海軍の
軍事演習さえ行っています。


 一方、北朝鮮では12月17日に、金正日 総書記が死去し、
政情不安が懸念されます。


 ちなみに、

 北朝鮮とイランは、核やミサイルの技術協力で、互いに関係
が深い国だとされており、

 両国の緊張が、国際社会にどのような影響を及ぼしていくの
か、これから目が離せないところです。


            * * * * *


 私個人として、今年1年に感じたことですが・・・

 2011年は、「不信」の年だったようにしか、思えてなりま
せん!




 原発事故が発生してから、たったの5時間後に「メルトダウン」
が起こっていたこと・・・

 放射性のキセノン133が、1100万テラベクレルも大気中に
放出されていたこと・・・

 こんな、ものすごく重大なことが、直ちに国民に知らされる
ことなく、
何ヶ月も経ってから発表されたのです。



 とくに「メルトダウン」の件では、それが起こっていた、まさに
その時、

 原発の近くに住む人々は、それを知ることが全く不可能で、
逃げることさえ出来ませんでした。

 そのことを思うと、ほんとうに「ゾッ」とします。



 こんなことが起こるようでは、

 私だけでなく、日本中にある原発の近隣に住んでいる人々も、

 今後の原発稼動にたいして、とても強い不信感を、持たざるを
得ないのでは、ないでしょうか。



 そして、食品に含まれる放射性物質・・・

 暫定基準値よりも低い放射能なら、ほんとうに安心して食べて
良いのでしょうか?

 厳重な検査をしていると言いながら、なぜ、暫定基準値を超え
るような農畜産物が、市場に流通するのでしょう?



 メルトダウンといい、キセノンといい、食品の放射能といい、

 それらが実際に起こったという「現実」を考えると、ものすごく
残念なことですが、


 今年は「不信に満ち満ちた年」であったようにしか、どうしても
思えてなりません!




      目次へ        トップページへ