子供の被曝は危険!
2011年8月14日 寺岡克哉
まったく同じ量の、放射線被曝を受けても、
大人が被曝するより、子供が被曝する方が、
その影響は大きいと、一般的によく言われています。
しかし、私は今まで、
大人にくらべて、子供への影響が、どれくらい大きいのか、
具体的に(数値データとして)知りませんでした。
最近になって、
そのような「具体的な数値データ」を見つけましたので、
ここで紹介したいと思います。
* * * * *
さっそくですが、下の表は、
それぞれの年齢の1000人が、100ミリシーベルトの被曝を
受けた場合に、
ガンで死亡する推定人数です(※注1、注2、注3、注4、注5)。
−−−−−−−−−−−−−
0歳 151.70人
5歳 133.44人
10歳 105.21人
15歳 51.09人
20歳 45.11人
25歳 44.70人
30歳 38.92人
35歳 27.80人
40歳 17.16人
45歳 7.60人
50歳 0.71人
55歳 0.49人
−−−−−−−−−−−−−
このデータを見て、私は、ものすごく驚きました!
大人にくらべて、子供の被曝の影響が、こんなに大きい
とは!
ほんとうに、こんなに大きいとは、思っていませんでした。
たとえば、
50歳以上の人が、100ミリシーベルトの被曝をしても、1000人
のうち、1人が死ぬかどうかです。
しかし、
0歳の赤ん坊が、100ミリシーベルトの被曝をしてしまったら、
1000人のうち、およそ152人も死んでしまうことが、推定される
のです。
100ミリシーベルトの被曝による、0歳の死亡率は、50歳
の死亡率にくらべて、なんと200倍以上です!
また、たとえば、
1年間の推定積算線量が、20ミリシーベルト未満の地域は、
「計画的避難地域」に指定されませんが、
20ミリシーベルト未満ギリギリの場所では、計画的避難地域
に指定されていなくても、
その場所に5年間ほど住めば、100ミリシーベルトの被曝量に
なってしまいます。
そのような場所に、
0歳の赤ん坊が、5歳になるまでの5年間ほど住めば、1000人
のうち少なくても133人以上が、ガンで死んでしまうと推定され、
5歳の子供が、10歳になるまでの5年間ほど住めば、1000人
のうち少なくても105人以上が、ガンで死んでしまうと推定され
ることを、
このデータは示しているのです。
さらにまた、
1年間の積算線量が、10ミリシーベルトていどの地域でも、
0歳の赤ん坊が、10歳になるまでの10年間ほど、その場所
に住めば、100ミリシーベルトの被曝量になるので、
やはり、
1000人のうち少なくても105人以上が、死んでしまうと推定
されます。
その上さらに、
放射能汚染した土壌や食品などを、体内に取り込んでしまう
「内部被曝」も考えれば、
合計の被曝量は、さらに大きなものに、なってしまうでしょう
(※注6)。
これらのことを考慮して、私が大ざっぱに感じることですが、
1年間の積算線量が、5ミリシーベルト。
つまり、1時間あたりの空間線量が、0.57マイクロシーベルト
(5000/365/24=0.57)
を超えるような場所では、
できることなら、「子育て」をすることを避けた方が、無難のよう
に思います。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
※注1
出典は、原発はいらない 小出裕章 著 幻冬舎ルネッサンス新書
p183。
それには、「原発事故・・・その時、あなたは」(風媒社)所収のデータ
を基に作成したと記述されています。
※注2
原図は、1万人・シーベルト。つまり、10万人が100ミリシーベルト
の被曝をした場合(100万人なら10ミリシーベルトの被曝をした場合)
の、ガンによる死者数で表されています。
しかしここでは、一般の人にも分かりやすいように、1000人が100
ミリシーベルトの被曝をした場合の死者数に、私が換算しました。
※注3 死者数には、「白血病」によるものを除いています。
※注4
もともとの数値データは、アメリカのJ.W.ゴフマン博士による評価
(推定)によるものです。
※注5
電離放射線の生物影響に関する委員会(BEIR)が示した基準に
従った死者数の評価では、ゴフマン博士による評価の、4分の1ほど
の値になります。
※注6
たとえば、暫定基準ギリギリのセシウム137が含まれた食品を、
1日に1キログラム。暫定基準ギリギリのセシウム137が含まれた
水や牛乳を、1日に2リットル。これらを毎日取り続けると、1年間
で4.3ミリシーベルトの被曝量になります。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
目次へ トップページへ