中国という国 1
                         2010年12月12日 寺岡克哉


 中国・・・

 面積は960万平方キロで、日本の25倍もあり、

 人口は13億4000万人で、日本の10倍もいる、

 ものすごく大きな国。



 いまや、この「中国という国」が、

 人類全体の運命を決定するだけでなく、


 地球の生命全体の運命をも、決定してしまうような気がして、

 どうしようもありません!



 なぜなら中国は、

 もはやアメリカを抜いて、世界第1位の二酸化炭素排出国となって
いるからです。

 そして現在も、どんどん二酸化炭素の排出量が増えつづけており、
まったく止まる所を知らないからです。



 たとえば中国の、

 2009年における二酸化炭素の排出量は、74億3000万トンであり、

 2008年の排出量の、68億1000万トンから、9.1%も増加して
います。



 一方、アメリカは、

 2009年の排出量が、59億5000万トンで、

 2008年の排出量の、63億7000万トンから、6.6%減少している
のです。



 つまり、2009年の時点において、

 中国の排出量は、アメリカよりも14億8000万トンも多く、

 その差は、日本の総排出量(およそ12億トン)よりも、大きくなって
いるほどです。



 しかも、

 アメリカの二酸化炭素排出量は、頭打ちになり、減少に転じている
のに対して、

 中国の排出量は、まだまだ「天井知らず」で、どんどん増加中です。



 たしかに、「一人あたりの二酸化炭素排出量」で見ると、

 中国は5.6トンで、アメリカの19.2トンよりも、ずっと小さな値に
なっています。

 しかし、いま現在において、

 二酸化炭素の排出量が、世界でいちばん多く、しかも世界でいち
ばん増加しているのが中国であり、

 地球温暖化や海洋酸性化を、世界でいちばん悪化させている国で
あることは、

 決して否定できない事実なのです。



 この先・・・

 地球温暖化や海洋酸性化によって壊滅的な被害が出るほど、大気
中の二酸化炭素濃度を増加させてしまう(つまり引導を渡してしまう)
のか、

 かなりの被害は出るけれども、壊滅的になる前に、二酸化炭素濃度
を安定させることが出来るのかは、

 ひとえに、「中国の動向が決定してしまう」と言っても、けっして過言
ではありません。



 このように、

 人類全体の運命と、地球の生命全体の運命が、「中国という国」の
動向に、全てかかっているのです。

 なので世界各国は、好む好まざるに関係なく、否応(いやおう)なしに、

 中国の振る舞いを注視しなければならなく、なって来たように思い
ます。


             * * * * *


 それで私も、

 「中国という国」にたいして、これから注意深く見つめて行かなければ
ならないと、

 考えるようになった訳です。



 ところで、これまで私は、

 中国にたいして、どちらかと言えば、「比較的よい印象」を持って
いました。

 というのは、古来から、孔子や老子、荘子などの有名な思想家を
輩出したり、

 「漢字」や「仏教」を日本に伝えたりしたので、中国は、文化的に
優れた国だと思っていたからです。



 そしてまた、近年においても、

 「日中友好」のキャンペーンが進められたり、「経済的な結びつき」が
強くなって来たことから、

 (チベット問題があるにしても)中国は、「日本の大切なパートナー」
だと思っていました。



 なので私は、日本が二酸化炭素を積極的に削減すれば、

 中国も同じように、日本を見習い、日本の省エネ技術を積極的に
導入して、二酸化炭素を意欲的に削減してくれるだろうと、

 けっこう楽観的に考えていたのです。

 つまり、中国の思いや考え方は、日本のそれと、あまり変わらない
だろうと、決めてかかっていた訳です。



 しかし最近では・・・

 たとえば2008年に起こった、中国製の冷凍ギョウザに、メタミドホス
(有機リン系の殺虫剤)が混入された事件についての、中国当局の
不適切な対応や、

 今年に起こった、尖閣諸島沖での漁船衝突事件をめぐって、レアアース
の日本向け輸出を止めたり、フジタの社員(中国にいる日本人)を拘束
したりと、

 これらの出来事によって、中国にたいする印象が、だいぶ悪くなって
来ました。



 なんと言いますか、たとえば、

 日本が積極的に二酸化炭素を削減したからと言って、はたして中国は、
意欲的な削減をするだろうか?

 中国は「わが道を行く」というか、日本(や世界)の意向など、まったく
気にしないのでは、ないだろうか?

 と、そのように感じるように、なって来たのです。



 つまり、

 「中国という国」にたいして、「猜疑心」というか「危機感」を、

 かなり持つように、なって来たわけです。



 さらには、

 北朝鮮による、ウランの濃縮や、韓国への砲撃に対しての、
中国の対応。

 今年のノーベル平和賞で、授賞式に出席しないように、中国が
世界各国にたいして圧力をかけたこと。



 これらの動きをみると、

 中国にたいする猜疑心や危機感が、どんどん増していると言う
のが

 いま現在の、私の正直な気持ちです。



 以上の理由から、

 「中国という国」が、本当はどういう国なのか?

 「中国という国」は、いったい何を考えているのか?

 「中国という国」が、これからどんな動きを見せるのか?

 等々のことについて、これから機会があるごとに、考察や議論を
行いたいと思っています。



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