日本で餓死者5000万人?
                              2010年1月17日 寺岡克哉


 近ごろ私は、すごく嫌なことに、気がついてしまいました。


 それは・・・

 もしも、このまま何も手を打たなければ、

 今から、およそ30年後の2040年ころまでに、

 日本で5000万人くらいが、餓死するかもしれない!


 という可能性についてです。



 注意しますが、5000人ではありません。

 日本の全人口の、およそ4割にあたる5000万人です!

 もちろん、

 日本の政府も、国民も、必死になって、あらゆる対策をとり、

 そんな事態になることは、死力を尽くして避けようとするでしょう。

 しかしながら、

 もしも、なんら有効な対策をとることが出来なれば、

 そのような事態になってしまう可能性も、けっして否定できないの
です。



 私が、そんな恐ろしいことに気がついたのは、つぎのような情報が、
頭の中でリンクしたからです。

1.温暖化対策を何もやらなければ、2050年代半ばまでに、世界の
  平均気温が4℃上昇する可能性がある。

2.気温が3℃上昇すると、どこの国も食料が輸出できなくなる。つまり
  日本は、どこからも食糧が輸入できなくなる。

3.日本は、食料自給率がとても低い。



 以下それらについて、もうすこし詳しく、お話しましょう。


            * * * * *


1.2050年代半ばまでに気温が4℃上昇


 2009年9月28日に、ロイター通信が伝えたところによると、

 イギリス気象庁のハドレーセンターは同日、

 温室効果ガスの排出が、いまのペースで続いた場合、

 世界の平均気温が、2050年代の半ばまでに、4℃上昇する可能
性がある
と発表しました。

 これは2007年の、IPCC第4次報告書で想定された、最悪のケースを
上回る内容になっています。



 ちなみに近年は、

 IPCCが想定した、最悪のシナリオを上回るペースで、世界の二酸化
炭素排出が増加しています。

 だから、上のハドレーセンターの発表には、いちおう根拠が存在する
と言えるでしょう。



 アメリカの環境シンクタンクである、「アースポリシー研究所」によると、

 2000年〜2006年における、世界の二酸化炭素排出の、年間伸び率
の平均が3.1%でした。

 しかしIPCCは、

 2000年〜2010年における、年間伸び率の上限(つまり最悪のケース)
を、2.3%と想定していたのです。

 このように、世界における二酸化炭素排出の増加は、

 IPCCが想定する最悪のケースを、明らかに上回っています。



 なので、

 このまま何も、有効な温暖化対策をとることが出来なければ、

 2050年代半ばまでに、世界の平均気温が4℃上昇する可能性がある
というのは、

 まったくデタラメでないどころか、かなり信憑性のある話ではないかと、

 私は感じています。


            * * * * *


2.食糧安全保障の観点


 地球温暖化によって、

 山の氷河が解けて無くなり、川の水が減ったり、

 大陸内部の水分が蒸発して、乾燥化し、干ばつが多くなれば、

 農業による食糧生産が減少してしまいます。



 そのような状況は、

 もうすでにアフリカで始まっており、これからますます酷(ひど)くなり
そうです。

 そして将来的には、ヨーロッパの地中海沿岸、インド、中国、アメリカ、
オーストラリアなど、世界中に広がって行くでしょう。

 もちろん、北欧や、ロシアやカナダの北部などでは、温暖化によって
食料生産が増えるところもあります。

 しかし世界全体でみれば、その不足分を補うほどではありません。



 そしてまた、このように世界的な食料危機が襲ってくると、

 たとえ、多少ゆとりがある国であっても、自国の安全を保障するため
に、たくさんの食料を備蓄するようになるでしょう。

 その結果、他国に食料が輸出できなくなります。



 私なりに、すこし調べたところでは、

 世界の平均気温が、およそ3℃上昇すると、

 ほとんど全ての国で、自国の食料が足りなくなるか、あるいは、食料の
輸出ができなくなりそうです。

 日本がたくさん食料を輸入している、アメリカ、中国、オーストラリア
なども、もちろんです。




 だから、

 世界の平均気温が3℃上昇すると、

 日本は、どこの国からも、食糧が輸入できなくなります。


 つまり、

 いくらお金があっても、外国から食料を買うことが出来ないの
です!




 そして、上で話しましたように、

 もしも2050年代の半ばまでに、気温が4℃上昇するとすれば、

 気温が3℃上昇するのは、今からおよそ30年後の2040年ころ

 になるでしょう。


            * * * * *


3.日本の食料自給率


 ちまたで、よく言われるように、

 日本は、「食料自給率」がすごく低い国です!



 たとえば・・・

 日本人が1日にとる食べ物は、平均で1805キロカロリーくらい
ですが、

 食料の輸入がゼロになると、1人1日あたり、1013キロカロリー
しか、

 食べることが出来なくなります。



 この、1013キロカロリーというのは、

 人間が生命を維持するのに、まったく足りない量です。

 だから、

 この状況下で、もしも食糧を、国民全員で平等に分けたら、

 日本人のすべてが、餓死してしまいます。



 もう一つの極端な考え方として、

 たとえば日本人のある人々が、1805キロカロリーの十分な
食料をとり、

 あとの残りの人々は、まったく食料が与えられず、餓死すると
してみましょう。

 このようにすると、

 たとえば1億2700万人の日本人のうち、およそ5600万人は
餓死しますが、

 7100万人を救うことができます。



 実際に、そのような状況になると、

 1人1日あたり、1500キロカロリーていどのギリギリで我慢して、

 それでも4100万人くらいには、食料を与えることができずに、
餓死させてしまうか、

 あるいは、

 富のある者、権力のある者が、必要以上にたくさんの食料を
独占して、

 その他の人々は、もっとたくさん餓死することに、なるかも知れ
ません。



 このような、とても大ざっぱな考察から、

 もしも食料の輸入がゼロになったら、

 およそ5000万人くらいの日本人が、餓死するのではないかと、

 私は推定したわけです。


            * * * * *


 以上、ここまでの考察から、

 もしも、このまま何も手を打たなければ、

 今から、およそ30年後の2040年ころまでに、

 日本で5000万人ていどの、餓死者が出るかもしれない!


 という結論に達したのでした。



 さらには・・・

 もしも、本当にそんなことになったら、

 食料の争奪をめぐって、日本中で暴動や犯罪などが多発すること
でしょう。

 そのような「人災」によっても、たくさんの死傷者が出ることになり
ます。



 このような「最悪の状況」を、事前に避けるためには、

 やはり、

 世界的な温暖化対策を、しっかりと進めて行かなければなり
ません!


 そしてまた、

 これから日本の食料自給率を、だんだんと上げて行く必要が、
絶対にあります!




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