では、どうすれば良いのか? 2
2009年1月18日 寺岡克哉
地球温暖化による、「最悪の事態」を避けるためには、
2050年までに、世界の排出する温室効果ガスを、
1990年にくらべて、少なくても「半分」に減らさなければなりません。
それを実現するための、いちばん有望な方法は
太陽光発電、つまり「太陽電池」を、大々的に広めることだと
私は考えています。
その理由は、まず第一に、
「太陽エネルギーは莫大(ばくだい)」だからです。
ここでは、そのことについて、お話したいと思います。
* * * * *
さて・・・
地球全体に、降りそそぐ太陽エネルギーは、
すべての人類が使っているエネルギーの、
ざっと1万倍もあります。
つまり地球全体の、1万分の1の面積で、
すべての人類が使うエネルギーを、賄(まかな)うことが出来ます。
それほどまでに、太陽エネルギーは「莫大な量」なのです。
しかしながら、現在のところ、
ものすごく大量に作ることができる太陽電池、
つまり「薄膜太陽電池」は、
太陽エネルギーの、およそ10%ほどしか、電気に変えることが
できません。
しかしそれでも、
地球全体の、1000分の1の面積に、太陽電池を広げれば、
すべての人類が使うエネルギーを、賄(まかな)うことができる
計算です。
* * * * *
一方、地球の面積は、
海も陸もすべて含めると、510507000平方キロメートルあります。
その1000分の1だと、510507平方キロメートルの面積になり
ます。
つまり、
およそ700キロメートル四方の面積に、太陽電池を広げれば、
すべての人類が使うエネルギーを、賄うことができるのです。
これは、
たとえば「サハラ砂漠」の面積の、およそ6%にあたります。
それくらいの面積に、太陽電池を広げれば、
人類が使っている、すべてのエネルギーが得られる訳です。
これほどまでに、太陽エネルギーは、莫大なパワーを秘めている
のです。
* * * * *
つぎに、
日本の場合について、もうすこし詳しく考えてみましょう。
じつは、太陽エネルギーというのは、
赤道に近いところは強くなっており、
南極や北極に近いところは、弱くなっています。
また、太陽エネルギーは、
夏には強くなり、冬には弱くなります。
だから日本では、
日本の場合についての、「太陽エネルギーの強さ」と言うのが
あります。
具体的には、
日本全体について、夏も冬も、1年間を平均すると、
1平方メートルの面積につき、1日あたりで、
2900キロカロリーていどのエネルギーになります。
それを考慮して、
日本で使っている化石燃料のすべて、つまり、
石油、石炭、天然ガスから得ているエネルギーのすべてを、
太陽電池で賄(まかな)うとすれば、
43900平方キロメートルの面積が必要になります。
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※ 気になる人のために・・・ 計算は、以下のようにやりました。
日射量 2900kcal/(m2・日) = 4.44×1015J/(km2・年)
太陽電池の量子効率 10%
日本の1年間のエネルギー消費 23.7×1018J
その82.3%が化石燃料として 19.5×1018J
(19.5×1018) / (4.44×1015×0.1) ≒ 43900km2
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ところで・・・
上の計算でもとめた、43900平方キロメートルという面積・・・
これは例えば、
1キロメートル四方(100ヘクタール)に、太陽電池を広げた
発電所を作るとすれば、
そのような場所が、日本全国に43900ヶ所必要になります。
また、10キロメートル四方(1万ヘクタール)に広げた発電所では、
439ヶ所が必要になります。
そしてこれは、日本の国土(378000平方キロメートル)の、
11.6%にあたります。
はたして、
そんな広い面積に、太陽電池を置くことなど、可能でしょうか?
また、そのような広い面積を、人間の手で管理することが出来る
でしょうか?
この問題に対して私は、
「やる気になれば可能だ!」と、考えています。
その根拠については、次回でお話したいと思います。
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