地球温暖化による健康被害 1
2007年7月15日 寺岡克哉
とうぜんですが、地球温暖化は、人の健康にもたいへん大きな影響を
及ぼします。
たとえば・・・
「激しい豪雨」や「巨大な台風」による、怪我や死亡。
「干ばつ」で農業が打撃を受けることによる、栄養失調や餓死。
「気温の上昇」による、熱中症、食中毒、感染症などの増加。
ほんとうに、地球温暖化による健康被害は甚大です!
ここでは、そのような「健康面への影響」について、見て行きたいと思い
ます。
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(1)洪水による健康被害
激しい豪雨が降ったり、巨大な台風が来ると、 川が氾濫したり高潮などに
よって、「洪水」が発生します。
もちろん「土砂崩れ」なども深刻ですが、広大な範囲にとても大きな被害を
もたらす「洪水」が、大雨や台風による災害のなかでは、いちばん最悪の
ものでしょう。
洪水が起こると、怪我や溺死などの直接的な被害をもたらすのは当然です
が、その他にもいろいろな健康被害が発生します。
たとえば、浸水によって体が「ずぶ濡れ」になると、肺炎になったり、体温が
奪われて「低体温症」になったりします。
この「低体温症」とは、冬山遭難などで死ぬのと同じで、あまりにも体温が
外に奪われるために、自分の体温が維持できなくなり死んでしまうのです。
また、「汚水」が浸水してきた時には、破傷風、皮膚炎、結膜炎、耳鼻咽喉
系感染症などの心配があります。
下水道が破損したり、飲料水が汚染された場合は、大腸菌、赤痢菌、コレ
ラ、サルモネラなどの感染症が発生します。
ところで洪水が起こると、「ネズミ」の異常発生により、「レプトスピラ病」と
いう病気が発生するそうです。
この病気は、ネズミの尿および尿の混ざった水を、触ったり飲んだりする
ことによって感染します。病気の進行するのが速く、致死率も高いそうです。
幸いにして、日本での発生は少ないのですが、この病気は全世界で発生
しており、とくに熱帯や亜熱帯の地域で多く発生しています。
また、洪水が起こると「蚊」が異常繁殖し、マラリア、デング熱、黄熱病など
が発生します。(これも日本ではあまり関係ありませんが、将来的に温暖化
がもっと進めば、そうも言っていられなくなるかも知れません。)
またあるいは、化学物質の流出や、産業廃棄物の流出が起こった場合、
それら化学物質による障害も考えられます。
そしてさらには、それら怪我や病気などの、「肉体的な被害」だけではあり
ません。
たくさんの人々の死に遭遇したり、自分の家や財産をすべて失ったりして、
うつ病や、PTSD(心的外傷後ストレス障害)にかかる心配もあります。
私は「洪水」に遭ったことがないのですが、ちょっと調べてみただけでも、
いろいろな健康被害がたくさんあってゾッとしました。
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(2)干ばつによる健康被害
地球温暖化によって「干ばつ」が頻発するようになると、農業の生産が
低下して、栄養失調になる人や、餓死する人が増加します。
また、栄養失調によって「免疫力」も低下し、さまざまな病気にもかかり
やすくなります。
そして、このような問題では、世界の中でも「アフリカ」がいちばん悲惨
な状況になりそうです。
以下は、IPCC第4次報告(第二作業部会)の、アフリカについての予測
結果です。
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アフリカ
2020 年までに、7,500 万人〜2 億5 千万人の人々が、気候変動に伴う増加
する水ストレスに曝(さら)されると予測される。需要増と結合すると、生活に
悪影響を与え、水関連の問題を悪化させる。
農業生産は、食糧へのアクセスも含めて、気候の変動と変化によって、多く
のアフリカ諸国及び地域で激しく損なわれると予測される。
農業適地の面積、栽培可能期間の長さ及び農作物生産可能量が、半乾燥
地域及び乾燥地域の縁に沿って減少することが予測される。
このことは、この大陸において、食料安全保障に一層の悪影響を与え、栄養
失調を悪化させる。
いくつかの国において、降雨依存型農業からの収穫量は、2020 年までに50
パーセント程度減少し得る。
(この予測の確信度は9割以上)
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近い将来にまた、アフリカで大飢饉が多発しそうです!
ところでまた、「干ばつ」が起こると空気が乾燥し、「森林火災」が多くなり
ます。
そうすると、その煙によって、目、鼻、喉の炎症や、循環器系疾患などに
かかるみたいです。
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(3)気温上昇による健康被害
地球温暖化によって気温が上昇すると、熱中症、食中毒、感染症などの
増加が心配されます。
申し訳ありませんが、それらについては次回でお話したいと思います。
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