神の空間感覚
2026年3月22日 寺岡克哉
前回では「神の時間感覚」について考えたので、今回は「神の空間感覚」、つまり神は
「大きさ」というものを、どのように感じているのかについて、考えてみたいと思いまし
た。
さて、神は「大きさ」というものを、一体どのように感じているのでしょう?
それについて、私たちが想像するための目星(めぼし)をつけるために、とりあえず神
は、「観測可能な宇宙の大きさ(下記の注1を参照)」である直径930億光年(半径46
5億光年)を、人間の代表的なスケールである直径1mの球体のように感じていると仮定
してみましょう。
そうすると、直径およそ10万光年である私たちの銀河系は、1.1×10-6mほどの
大きさに感じるはずで、それは細菌の黄色ブドウ球菌(直径1.0×10-6m)と同じぐ
らいの大きさになります。
また、太陽の重力圏(オールトの雲 直径およそ5光年)は、5.4×10-11mほどの
大きさに感じるはずで、それはヘリウム原子の大きさ(直径6.2×10-11m)よりも少
し小さいぐらいになります。
また、太陽系(海王星の公転軌道 直径およそ90億km)は、1.02×10-14mほ
どの大きさに感じるはずで、それは陽子の大きさ(直径1.7×10-15m)の6倍ぐらい
になります。
また、太陽(直径およそ140万km)は、1.6×10-18mほどの大きさに感じるは
ずで、それは陽子の大きさの1000分の1ぐらいになります。
また、地球(直径およそ1万2700km)は、1.4×10-20mほどの大きさに感じ
るはずで、それは陽子の大きさの12万分の1ぐらいになります。
そして、人間(日本人男性の平均身長1.7m)は、1.9×10-27mほどの大きさに
感じるはずで、それは陽子の大きさの8900億分の1ぐらいになってしまうのです。神
から見れば、人間はなんて小さな存在なのでしょう。
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しかしさらに、この世界が「マルチバース」であった場合、「この世界」は無数の宇宙
を内部に含むほどの膨大な広さを持っているはずです。そのようなマルチバースを存在さ
せている神から見れば、一つの宇宙など、素粒子と同じぐらいの大きさにしか感じていな
いかも知れません。私たち一人ひとりの人間ならば、なおさら小さな存在です。
このように神から見れば、私たち人間はすごくすごく小さな存在です。
しかし神は、私たち一人ひとりにピッタリと寄り添(そ)っているだけでなく、私たち
の身体を構成する原子の一つ一つをも「存在させる働き」をしており、神の愛は私たちの
身体の内部にまでしっかりと浸透しているのです。
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注1 観測可能な宇宙の大きさ:
この宇宙は膨張を続けているので、地球から遠く離れれば離れるほど、そこにある天体
は速いスピードで地球から遠ざかります。
これは例えば、直径10kmの球体が、1時間に、直径100kmの球体まで膨張した
としましょう。そうすると、この球の円周は、1時間に31.4kmから314kmまで
10倍に伸びたことになります。
ここで、この球の表面に立って、いろいろな場所に立てた旗(はた)までの距離を観測
する人がいたとします。そうすると、最初1km先に立っていた旗は、1時間後には10
km先にあります。また、最初2km先に立っていた旗は1時間後には20km先に、最
初3km先に立っていた旗は1時間後には30km先にあります。
つまり、観測者から1km離れた場所は時速9kmで遠ざかり、観測者から2km離れ
た場所は時速18kmで遠ざかり、観測者から3km離れた場所は時速27kmで遠ざか
ります。そして、この関係は、観測者が球の表面のどこの場所で観測しても、まったく同
じです。
このように「膨張」という現象は、どの地点で観測しても、観測者から観測対象が離れ
れば離れるほど、その観測対象は速いスピードで遠ざかるのです。
宇宙の膨張の場合は、球の表面ではなく、3次元の「空間」が膨張しているのですが、
話としては全く同様で、どの地点から観測しても、観測対象にした銀河や星などの天体が、
観測者から離れれば離れるほど、速いスピードで遠ざかります。
そしてついに、地球から465億光年よりも遠く離れた天体になると、その天体の遠ざ
かるスピードが、光よりも速くなってしまうのです。そうなるともう、その天体からの光
が地球に届くことは不可能であり、観測が出来なくなってしまいます。
このため、半径465億光年(直径930億光年)の範囲が「観測可能な宇宙」とされ
ており、これが実際の観測で人間が知りえる最大の宇宙の大きさなのです。
ところで、地球から465億光年よりも離れた天体は、光よりも速く遠ざかっています
が、これは一見すると、「物体は光よりも速く動けない」とする特殊相対性理論に反して
いるように思えます。
しかし宇宙の膨張は、天体という「物体」が動いて拡散しているのではなく、宇宙の
「空間そのもの」が膨張しているのであり、あくまでも天体(物体)は、空間にたいして
静止しているのです。
これは、上の例で挙げた「膨張する球体の表面に立てた旗」の場合と同じで、観測者か
ら見ると旗は遠ざかって行くけれど、あくまでも旗は球面上に「立っているだけ」であり、
球面にたいして旗は静止しているのです。
特殊相対性理論は、「空間にたいして物体は光よりも速く動けない」としているのであ
り、宇宙膨張の場合は「空間にたいして物体(つまり天体)は静止している」ので、遠い
天体が光より速く遠ざかっても特殊相対性理論と矛盾しないのです。
そしてまた、「空間は物体ではない」ので、宇宙空間は光よりも速く膨張することがで
きます。このため、観測可能な宇宙よりも外側にある天体は、光よりも速く遠ざかること
が可能なのです。
ちなみに、観測可能な宇宙の外側には、さらに観測可能な宇宙が広がっていると考えら
れます。
つまり、もしも地球から465億光年先に観測者が存在したら、その観測者は、さらに
465億光年先まで宇宙を観測することが可能です。
これは逆の立場で考えれば、465億光年先にいる観測者から、地球にいる私たちを見
れば、私たちは観測可能な宇宙の限界点にいるはずです。しかし私たちは、その観測者か
ら見てさらにその先(観測者と反対側の宇宙)を、465億光年先まで観測できるのです。
このことを考えれば、観測可能な宇宙の外側には、さらに観測可能な宇宙が広がってい
るのが納得(なっとく)できます。
ところで、「観測可能な宇宙の大きさ」ではなく「宇宙全体の本当の大きさ」は、現代
の科学をもってしても、確かなことは良く分かっていません。
しかしながら、スペインのドノスティア国際物理センターの研究チームによると、宇宙
は今から約110億年後まで膨張がつづくと予想され、そのとき宇宙の大きさは現在の約
1.69倍(直径約1兆5700億光年)まで拡大するだろうとしています。
一応この数値を使って逆算すると、1570000000000÷1.69≒929000000000なので、現
在の宇宙の大きさは直径9290億光年となり、観測可能な宇宙(直径930億光年)の
10倍ぐらいの大きさになります。
しかし、もし宇宙の大きさが直径9290億光年だとしても、マルチバースの世界にお
いて無数の宇宙を存在させている「神」から見れば、その中の一つである「この宇宙」な
ど、素粒子と同じぐらいの大きさにしか感じていないのかも知れません。
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