神の御業 29
2026年2月22日 寺岡克哉
29章 科学の進歩と生命進化
この章では、科学の進歩にたいして「生命進化」という観点から捉(とら)えてみたい
と思います。
* * * * *
まず、生命進化の法則の一つとして、「弱肉強食」というのがあります。
つまり弱い生物よりも、強い生物の方が生き残る確率が高くなるので、あらゆる種類の
生物は、生き残り戦略として強くなろうとするのです。
その結果、たとえば体のサイズを大きくしたり、筋力を強くしたり、敏捷性(びんしょ
うせい)を高くしたり、角(つの)や牙(きば)を持ったり、堅(かた)い鱗(うろこ)
に身を包んだりと、いろいろな生物がさまざまな能力を、生命進化によって獲得してきま
した。
そしてまた、人類が科学の進歩によって強力な武器を発明し、それを大量に製造するこ
とにより強くなってきたのも、弱肉強食という生命進化の法則の、延長上にあることは間
違いありません。
しかし、その結果!
人類は、原子爆弾(原爆)や水素爆弾(水爆)などの「核兵器」を生み出してしまいま
した。その威力はじつに莫大(ばくだい)なもので、全人類を滅ぼすのに十分な力を持っ
ています。ゆえに人類は、地球の生物として、もうこれ以上強くなることには意味が無く
なったと言えるでしょう。
つまり科学の進歩によって、「弱肉強食」という生命進化の方向が頭打ちになったので
す。
ちなみに、生物界に「捕食者」が明確に現れて、弱肉強食という生命進化の方向性が定
まったのは、今から5億4100万年前のカンブリア紀です。それ以来つづいてきた弱肉
強食の法則が、科学の進歩によって頭打ちとなったわけです。これは、生命進化の方向の
大転換期とも言えるでしょう。
これからは、弱肉強食とは違う方向への生命進化。たとえば愛の増大や、共栄共存の方
向への生命進化が必要になって行くのだと思います。
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つぎに、ロケット技術の進歩によって、人類は「宇宙へ進出」することが可能な生物と
なりました。
つまり、1961年に人類が初めて宇宙に到達して以来、1969年には人類史上初の
有人月面着陸に成功し、2011年には国際宇宙ステーションが完成して宇宙での長期滞
在が可能となったのです。
たしかに人類が宇宙に到達した範囲は、宇宙の全体から見れば、ごくごく地球の近傍
(きんぼう)に過ぎません。
しかしそれは、およそ4億年前に生命が海から陸へ進出したことに匹敵する、生命進化
における大躍進への第一歩であるのは、絶対に間違いないのです。
地球の生命は、人類にまで進化してやっと、宇宙に進出できる可能性を持つことができ
たと言えるのです。
* * * * *
そしてさらに、人類の科学的な知見が拡大することによって、「神の御業」をより具体
的に広く深く知ることができるようになりました。
つまり物理、化学、生物、地学などの分野における科学的な進歩によって、宇宙の生成、
物質の生成、太陽や地球の生成、生命の生成などについて、より具体的な知見が広く深く
得られるようになったわけです。そして、それはすなわち、「神の御業」をより具体的に
広く深く知ることに他(ほか)ならないのです。
ゆえに科学に進歩によって、人類という生物は、「神の御業」を具体的に知ることがで
きる生物に進化できたのだと言えるでしょう。
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以上、ここまで見てきましたように、
1.弱肉強食という生命進化の法則が、頭打ちになったこと。
2.生命が宇宙へ進出したこと。
3.人類が、神の御業を具体的に知る生物へと進化したこと。
科学の進歩は、生命進化にたいして、これら3つの多大な影響を与えることになったの
です。
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