神の御業 28
                                2026年2月15日 寺岡克哉


28章 科学における負の側面
 24章から27章まで、科学の進歩について見てきました。
 それによると科学の進歩は、たしかに人類を幸福にしてきました。しかしながら、科学
には「負の側面」もあります。

 この章では、そのことについて考えたいと思います。

              * * * * *

 まず前章で述べた、化学肥料の大量生産を可能にした「ハーバー・ボッシュ法」ですが、
それは同時に、爆薬の原料となる「硝酸(しょうさん)」の大量生産も可能にしてしまい
ました。
 また、ライト兄弟によって始まった飛行機の進歩は、戦闘機の開発につながって行くこ
とになりました。
 そして、これらの科学技術の進歩により、第1次世界大戦(1914年~1918年)と第2
次世界大戦(1939年~1945年)による被害は、おそろしく甚大なものとなったのです。

 また、アインシュタインの相対性理論による「エネルギー=質量×光速の2乗」という
法則の発見と、原子物理学の進歩によって、原子爆弾(原爆)や水素爆弾(水爆)が開発
されてしまいました。
 そしてまた、ロケット技術の進歩は「大陸間弾道ミサイル」を実現してしまったのです。
 これらの技術の組み合わせ、つまり原爆や水爆を搭載(とうさい)した大陸間弾道ミサ
イルの存在は、現在でも人類全体の存続を脅(おびや)かしています。

              * * * * *

 ところで科学の進歩は、産業を発展させ、消費を拡大させて、人口を増加させました。
 その結果、大気汚染や水質汚濁(おだく)、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭な
どの「公害」によって、人々の健康や生活環境に被害が生じるようになりました。

 また、大規模な森林伐採、動植物の乱獲、オゾン層の破壊、海洋の酸性化や富栄養化な
どの「環境破壊」も起こっています。

 さらには、人類の排出した二酸化炭素によって、地球温暖化による気候変動も起こって
しまいました。
 その結果、砂漠化、豪雨、洪水、強風、土砂崩れ、熱波、山火事、海面上昇、生態系の
攪乱(かくらん)など、全地球規模で災害が起こるようになってきたのです。

 そしてこの先、二酸化炭素排出の増加を食い止めることが出来なかったら、16章で述
べた「P/Tの大量絶滅」の、再来になってしまう可能性もあります。
 もしもそうなったら、超高温と酸素の減少(16章参照)によって、96%もの種が絶
滅したというP/Tの大量絶滅と、同じような規模の大災害に見舞われるかもしれないので
す。
 南極とグリーンランドの氷がすべて融けてしまい、海水面は200メートルも上昇しま
す。そして、東京、大阪、名古屋、ニューヨーク、パリ、ロンドン、ベルリン、モスクワ
など、世界中の主要都市がことごとく海に沈んでしまうでしょう。

 こんなことになってしまったら、地球温暖化による被害は、恐らく第2次世界大戦(総
死者数は5000万人から8500万人以上と推定される)など、足元にも及ばないほど甚大(じ
んだい)なものになるでしょう。

              * * * * *

 以上、ここまで述べてきたように、科学には「負の側面」が確かにあります。

 そして科学の進歩が、戦争の拡大や環境破壊、地球温暖化などの間違った方向に進めば、
人類は衰退(すいたい)し、苦しみと不幸がどんどん増大していきます。

 しかし科学の進歩が、生活の向上や病気の撲滅、環境保全、地球温暖化の抑制などの正
しい方向に進めば、人類は発展し、楽しみと幸福が増大するのです。

 私は思うのですが・・・ 
 恐らく神は、苦しみと不幸、あるいは楽しみと幸福によって、科学の進歩を間違った方
向にではなく、正しい方向に導こうとしているのではないでしょうか。

 そして、これも「神の御業」なのだと、そのように私には思えてならないのです。



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