神の御業 9
2025年10月5日 寺岡克哉
9章 地球の存在
太陽系は、第1世代か第2世代の恒星が超新星爆発をして吹き飛ばした元素が、再び集
まって出来ました。だから地球も、それらの元素が集まって出来ています。
それが理由で、地球には大気や海や大地が存在するのです。なぜなら、大気は酸素や窒
素から、海は水素と酸素(つまり水)から、大地は酸素、ケイ素、アルミニウム、鉄など
からできていますが、これらの色々な元素は、第1世代か第2世代の恒星による核融合反
応で作られたからです。
また、同じ理由によって地球には、炭素、酸素、窒素、硫黄、リンなどの生命に必須な
元素が存在しており、そのため生命が誕生することが出来たわけです。
ちなみに誕生した頃の地球は、隕石の衝突などですごく高温の状態でしたが、だんだん
と冷えて今のような状態になりました。しかしながら、誕生してから46億年も経った現
在でも、地球の内部はすごく高温の状態(中心部で5500℃ぐらい)になっています。
それは、地球が誕生した時からの熱の残りに加えて、ウランやトリウム、カリウムなど
の原子核が崩壊するときに出す熱によって、地球の内部が高温に保たれているからです。
これらの放射性物質も、第1世代か第2世代の恒星による核融合反応で作られました。
このように、地球に大気や海や大地が存在し、生命が誕生して、今でも温泉が湧き出て
いるのは、第1世代か第2世代の恒星が超新星爆発をして吹き飛ばした元素が、再び集まっ
て地球が出来たからなのです。
* * * * *
ところで地球は、太陽からおよそ1億5000万キロメートル離れていますが、この距
離が近すぎず遠すぎず、ちょうど良い距離なので、地球が適度な温度になっています。
もしも太陽から地球までの距離が現状より近かったら、地球は灼熱(しゃくねつ)の地
獄になっていたでしょう。その反対に、もしも太陽から地球までの距離が現状より遠かっ
たら、地球は極寒の気候になっていたはずです。
また地球は、24時間の周期で「自転」をしています。そのため、太陽光が適度にまん
べんなく地球に当たることにより、昼と夜との寒暖差が抑えられています。
もしも地球の自転周期がもっと遅かったら、昼は灼熱の地獄となり、夜は極寒の気温と
なっていたでしょう。
* * * * *
ところで地球の質量は5.972×1024kgであり、そのため地球の重力は、大気を引きつけ
ておける適度な強さになっています。
たとえば月の重力は、地球の6分の1しかありません。そのため大気を引きつけておく
ことが出来ず、ほとんど大気が存在しないのです。
つまり地球に大気があって、私たちが呼吸できるのは、地球の重力が適度な強さだった
からです。
また地球の大気には、水蒸気や二酸化炭素などの「温室効果ガス」が含まれていますが、
地球の平均気温が14℃という適度な温度になっているのは、それらのガスによる温室効
果のためです。もしも温室効果ガスがまったく存在しなかったら、地球の平均気温はマイ
ナス19℃になってしまうと考えられます。
さらに地球の大気は、生物に有害な太陽からの放射線や、宇宙線(宇宙を飛び交う高エ
ネルギーの放射線)を遮(さえぎ)って、バリアーの働きをしています。
このように地球の大気は、ものすごく重要な役割をはたしていますが、その大気が存在
するのは、地球の重力が大気を引きつけておける適度な強さだったからです。そしてそれ
は、偶然にも、地球の質量が5.972×1024kgであったからに他ならないのです。
* * * * *
ところでまた、地球は大きな磁石の働きをしており、磁場を発生しています。たとえば
方位磁針(コンパス)が北を指すのはそのためです。
その地球磁場は「宇宙空間」にも広がっており、宇宙における地球磁場の勢力範囲を
「磁気圏」と呼びます。
この磁気圏も、生物に有害な太陽からの放射線や、宇宙線を遮って、バリアーの働きを
しています。
* * * * *
以上、ここまで見てきましたように、
地球には、さまざまな元素が存在すること。
地球と太陽との距離が適度であること。
地球の自転周期が適度であること。
地球の重力が適度な強さであること。
地球には磁場が存在すること。
これら、地球には「奇跡的な条件」が幾(いく)つもそろっています。
このような惑星が太陽系に誕生したのは奇跡であり、まさに神の御業であると言わざる
を得ません。
目次へ トップページへ