神の御業 0
2025年8月3日 寺岡克哉
序章
今回から、「神の御業(みわざ)」というテーマで文章を書いて行きたいと思います。
まず最初に申し上げたいのですが、私は以前にエッセイ1218で、「神とは、 “存在
させる働き” つまり “存在の肯定” すなわち “愛” である」と、神を定義しました。
ゆえに「神」とは、「存在させる働き」のことです。
つまり神は、この世界のすべてを「存在させる働き」として存在しているのです。
ただしここで、「この世界」というのは、人間や人類社会、生命、生態系、地球、そし
て太陽系や銀河系を含めた「宇宙全体」のことだけではありません。
たとえば、ビッグバン(宇宙の始まりである大爆発)が起こる前の世界が存在するなら
ば、それも「この世界」です。
また、この宇宙全体でさえ、その内部に入ってしまうような、この宇宙よりもさらに大
きな世界が存在するならば、それも「この世界」です。
さらに、この宇宙の他にたくさんの宇宙が存在するという「マルチバース」と呼ばれる
考え方がありますが、この世界がマルチバースであるならば、それら存在する全ての宇宙
を含めた「マルチバース全体」も、「この世界」です。
とにかく、ビッグバン以前の世界も、この宇宙より巨大な世界も、マルチバースも、そ
れらが存在するならば「この世界」とします。
いま上で述べたように、「この世界」というのは、とてつもなく広大無辺です。
しかしさらに、そのように広大無辺なこの世界のすべてを「存在させている」のが、こ
の世界のすべてを「存在させる働き」である「神」なのです。
ところでさらに、その神を存在させるのは何かと問われたなら、その神を「存在させる
働き」であるとしか答えようがないから、この先どこまで追求しても「存在させる働き」
つまり「神」という解答しか存在しません。
ゆえに、この世界のすべてを存在させている、もっとも「根源的な存在」が「神」なの
です。
* * * * *
いま上で述べたように、神はもっとも「根源的な存在」です。が、しかし、その一方で、
神は「この世界のすべて」に行き渡っている、もっとも「普遍的な存在」でもあります。
なぜなら「この世界のすべて」は、この世界のすべてを「存在させる働き(つまり神)」
によらなければ、存在するはずがないからです。
つまり神は、この世界のすべてを「存在させる働き」によって、素粒子や原子、物質、
生命、地球、太陽系、銀河系、そして「この宇宙全体」をも存在させるという、じつに多
くの「御業(みわざ)」を成し遂(と)げているわけです。
それら「神の御業」を私のできる限り紹介し、「神の御業」がまさしく奇跡であること
と、「神の御業」の不思議さ、絶妙さ、そして偉大さを理解していただき、できればそれ
を実感して頂きたいというのが、今後の文章を書いていく主な目的となります。
また、上で述べた「神とは、 “存在させる働き” つまり “存在の肯定” すなわち “愛”
である」という定義から、神とは「愛そのもの」であると言えます。だから「神の御業」
を通して、その愛の大きさと深さも実感して頂ければと思っています。
* * * * *
ところで、これから書いて行く文章は「科学的な話」が多くなりますが、科学とは「神
の御業」を知り、「神」を理解する学問だと私は思っています。
なぜなら、この世界に存在するあらゆる事物を観察して、それら事物の存在すること
(つまり神の御業)がいかに奇跡的であるのかを知り、その奇跡を生じさせた法則や力や
作用や働き(つまり神)を理解することが、科学であると私は考えるからです。
しかしながら、このように考えるのは私だけではありません。
例えば、惑星の運動を研究したケプラーは、プロテスタントの牧師であり、神の敬虔
(けいけん)な信仰者でした。
ケプラーは、水星、金星、地球、火星、木星、土星などの太陽系の惑星が、太陽の周り
を楕円軌道で回っていることを発見した、とても有名な科学者です。
ケプラーの伝記を見てみると、彼は最初、「神学」の研究を志(こころざ)していまし
た。そして後に行った天文学の研究も、惑星の運動をつかさどる「神の法則」を発見する
ことが、その動機であったと書かれています。
これらのことから、ケプラーが「神の存在」を強く意識していたことは、間違いありま
せん。
また、ニュートンは「万有引力の法則」を発見した科学者ですが、ニュートンも神の敬
虔な信仰者(イギリス清教徒)でした。彼には「神学」に関する著述もあるぐらいです。
ニュートンが「人類で最も偉大な科学者」であることは、誰にも異論はないと思います。
しかしながら、ニュートンも「神の存在」を強く意識し、宇宙全体をつかさどる「神の法
則」を求めて研究していたことも周知の事実なのです。
そして、20世紀最大の科学者と言われるアインシュタインもまた、「神はサイコロ遊
びをしない!」と言って、量子力学(物理学の理論の一つ)を批判しました。
この、アインシュタインの批判そのものは、現在では間違いとされています。しかしこ
のエピソードから、彼もまた、宇宙全体をつかさどる「神の法則」を強く意識していたこ
とが分かります。
以上のように、過去の有名な科学者たちも、宇宙全体をつかさどる「神の法則」つまり
私が言うところの、この世界のすべてを「存在させる働き」を探究していたのは確かなの
です。
* * * * *
それでは、「神の御業」が奇跡であることと、その不思議さ、絶妙さ、そして偉大さを
理解し、この「神の御業」を通して、その愛の大きさと深さを実感する旅へ出かけること
にしましょう。
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