2023年を振り返って
                            2023年12月24日 寺岡克哉


 さて今年も、この1年を振り返ってみたいと思います。


            * * * * *


 まず、今年に起こったことで1番目に挙げたいのは、

 「地球沸騰(ふっとう)化」と言われるほど、ものすごく暑い1年になった
ことです。



 わが国の日本でも、

 記録的な猛暑になったのは、皆さんの記憶にも新しいことでしょう。



 また、気候変動による高温と乾燥により、

 ハワイのマウイ島、スペイン・カナリア諸島のテネリフェ島、カナダ、
ギリシャ、アメリカのワシントン州など、世界の各地で大規模な山火事が
発生しました。

 とくにハワイの山火事は、ずいぶんテレビで報道されたので、知っている方
も多いと思います。



 さらに、北アフリカのリビアでは、

 「発達した低気圧(メディケーン)」によって大雨が降り、ダムが決壊して、
大規模な洪水が発生しました。

 そしてこれも、洪水によって壊滅した都市の様子が、テレビで大きく取り
上げられたので、知っている方が多いでしょう。


 しかし実は、被害が出たのはリビアだけではなく、

 このときのメディケーンは、地中海地方のいくつかの国々でも、大きな被害
を出したのです。

 たとえばギリシャでは、作物生産力のほぼ4分の1が失われたとされており、
トルコやブルガリアでも死傷者が出ました。



 このように今年は、

 地球温暖化の気候変動による大きな災害が、世界各地で発生した年となって
しまいました。


            * * * * *


 つぎに、今年に起こったことで2番目に挙げたいのは、

 今年の10月に、イスラエルと、「ハマス(注1)」との戦闘が勃発し、
いま現在でも続いていることです。

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注1 ハマス:
 ハマスとは、パレスチナ・ガザ地区を実効支配するイスラム組織であり、
イスラエルの打倒と、その後のイスラム国家の樹立を目標に掲げています。
 このハマスは、2007年にガザ地区を掌握して以来、イスラエルと何度
も交戦をしています。
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 たしかに、このたびの戦闘は、

 まずハマス側が、数1000発のロケット弾をイスラエルに発射したことで
始まりました。


 つまり、先に手を出したのはハマス側です。



 しかしながら、

 その後の、イスラエルによるガザ地区への攻撃が悲惨さを極め、たくさんの
市民や子供たちが犠牲になっています。

 たとえば12月20日の時点で、ガザ地区での死者が2万人に達したと報じ
られており、

 このうち、およそ8000人が子どもで、6200人が女性だと言われてい
ます。

 テレビの報道で、血だらけになり傷ついた子供たちを見ると、ほんとうに目
を覆(おお)いたくなります。



 また、WFP(世界食糧計画)は12月21日。

 イスラエル軍による攻撃で、ガザ地区における食料不足が、深刻化している
と指摘しました。

 WFPの報告では、11月24日から12月7日までに、ガザ地区の人口の
93%に当たるおよそ208万人が、「危機的」な食料不足に直面したとして
います。

 その内、およそ38万人は、極めて深刻な食料不足になっており、最悪の
「破滅的な」状態に陥っています。



 ちなみに、ロシアとウクライナの戦争も、まだ続いているというのに、

 このようなバカげた戦闘は、一刻も早く終わらせてほしいと、心から願って
やみません。


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 そして、今年に起こったことで3番目に挙げたいのは、

 自由民主党の派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題で、4人の閣僚が
辞任したことです。



 じつは「政治と金の問題」は、昔から数えきれないぐらい起こっており、
いまに始まったことではありません。

 しかしながら、このたびの政治資金パーティー問題は、近年ではまれに見る
ほどの、大きな事件に発展しています。


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 以上、ここまで見てきましたが、

 たしかに今年は、野球の大谷翔平・選手や、将棋の藤井聡太・棋士の活躍
など、

 明るい話題が皆無だった訳ではありません。



 しかしながら、世界を全体的に見ると、

 世界各地で自然災害が多発し、また、パレスチナのガザ地区では多くの市民
が犠牲になっているので、

 今年の1年は、あまり良い年ではなかったと思わざるを得ません。



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