深刻さの理解は難しい 4
2023年11月19日 寺岡克哉
前回では、
地球温暖化の原因が、人類の排出する二酸化炭素などの温室効果ガスで
あることが「科学的に証明」されれば、
「地球温暖化の深刻さ」が広く理解されるのではないかと、私が考えて
いたこと。
しかしながら、
地球温暖化の原因が「科学的に断定」されたにもかかわらず、
私が思ったほどには、「地球温暖化の深刻さ」が広く理解されなかった
ことについて書きました。
そこで、つぎに私は
地球温暖化による自然災害が実際に起こるようになれば、
「地球温暖化の深刻さ」が広く理解されるように、なるのではないかと
考えました。
今回は、そのことについて書きたいと思います。
* * * * *
さっそくですが、
「地球温暖化による気候変動」が原因だと思われる自然災害について、
本サイトで書いたものを、以下に列挙してみます。
エッセイ391
2009年7月の中国地方や九州北部における豪雨。2009年8月の
台風9号。
エッセイ393
2009年8月に台風8号が台湾に上陸し、50年ぶりの大被害。
エッセイ399
2009年10月、非常に強い台風18号が愛知県に上陸。
エッセイ439
2010年7月、九州から西日本にかけて豪雨被害。
エッセイ441
2010年7月17~26日までの10日間で、熱中症による死者が全国
で109人。
エッセイ445
2010年5月~8月にかけて、ロシアで猛暑(死者1万5000人)、
干ばつ(ロシアの作付面積の25%壊滅)、山火事(推定700件100万
ヘクタール消失)。パキスタンで過去80年で最悪の洪水(被災者1700
万人)。中国各地で土石流や洪水(被災者2億人)。インド、東ヨーロッパ、
北朝鮮などで豪雨被害。
エッセイ447
2010年7月17日~9月5日までに、熱中症による死者が全国で
503人。
エッセイ448
2010年9月、台風9号による影響で、静岡県の604ヵ所で豪雨被害。
エッセイ464
2011年1月、山陰地方に記録的な大雪。422隻の漁船が転覆あるい
は沈没。
エッセイ465
2011年1月、オーストラリアで大洪水。日本の3.7倍もの面積が
災害地域に指定。
エッセイ466
2011年1月、ブラジル、スリランカ(被災者100万人)、南アフ
リカ(9州のうち7州が災害激甚地)で洪水被害。
エッセイ613
2013年11月、猛烈な台風30号(中心気圧895ヘクトパスカル)
がフィリピンを直撃(被災者800万人)。
エッセイ804
2017年7月、九州から北海道にかけて、日本全国で異常な大雨。
エッセイ856
2018年、世界的に記録的な猛暑。日本では7月16日~22日の
1週間に、熱中症で2万2647人が全国で搬送(内65人が死亡)。
エッセイ862
2018年9月、台風21号が全国で猛威。関西空港(人工島)と本土
をつなぐ連絡橋にタンカーが衝突し、空港が孤立状態に。
エッセイ920
2019年10月、台風19号により、関東甲信越から東北地方にわたっ
て甚大な被害。
エッセイ1120
2023年8月、アメリカのハワイ州、スペインのカナリア諸島、カナダ、
ギリシャなどで、高温と乾燥による大規模な山火事が発生。
エッセイ1124
2023年9月、リビアで大洪水(死亡者が推定2万人以上)。
* * * * *
以上、列挙しましたように、
「地球温暖化による気候変動」が原因だと思われる自然災害は、
日本だけでなく、世界各地で起こっています。
そしてまた、
近年このような自然災害が増えていることは、単なる気のせいではなく、
「災害保険金の支払額」が増加していることによっても、如実(にょじ
つ)に証明されています(エッセイ1123)。
とくに2018年は、
台風21号(1兆678億円)、台風24号(3061億円)、7月豪雨
(1956億円)と、相次いで大災害に見舞われたため、
合計で1兆5695億円もの保険金が支払われました。
そしてこれは、東日本大震災の時の1兆2891億円をも上回る、過去
最大の保険金支払額となっているのです(エッセイ1123)。
しかしながら、それでも多くの人にとっては、
「自分の身に危険を感じるほどの深刻さ」を、まだ実感していないという
のが現状でしょう。
* * * * *
申し訳ありませんが、この続きは次回でやりたいと思います。
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