火災保険料が値上がり
                             2023年9月17日 寺岡克哉


 先日、

 私の家が入っている火災保険が、3年間の満期になったので、

 新しく更新することにしました。



 そうしたら、補償の内容は以前と同じなのに、

 これまで、1年間あたりの保険料が10940円だったのが、

 今後は、1年間あたり15980円へと値上がっていたのです。



 たしかに、

 1年間の支払いとしては、そんなに大な金額ではないと言え
るでしょう。


 が、しかし、

 「割合」として見れば、保険料が5割近くも値上がっており、

 「ものすごく大きな値上がり」だと言えます。


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 一体どうして、

 こんなに大きく保険料が値上がりしたのか、すごく不思議に思っ
たので、

 保険の人に、「もしかしたら災害などが増えているのですか?」
と、聞いてみました。



 そうしたら、

 やはり近年では、台風などによる自然災害が増えていて、

 保険料を上げざるを得なくなっているみたいです。



 ちなみに、

 私の家が入っているのは、「個人用火災総合保険」というもの
ですが、

 この保険は、火災の他にも水害や風害、雪害なども補償の対象
になっています。



 なので、

 大雨による洪水や、大雪などの自然災害が増加すれば、保険
会社の支払う保険金が増えてしまいます。

 そのため、

 加入者の支払う保険料を値上げしなければ、やって行けなくなる
みたいです。


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 ところで、保険の人から上のような話を聞いたので、

 インターネットでも、すこし詳しく調べてみることにしました。



 そうすると、

 やはり近年では、大型台風やゲリラ豪雨などの自然災害が
多発しており、

 損害保険会社が取り扱っている「火災保険」において、

 保険金の支払額が、急激な増加傾向を示していました。



 以下の表は、

 自然災害に伴(ともな)う、損害保険会社大手の、保険金の
支払額の推移です。


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 2011年度   1764億円
 2012年度    629億円
 2013年度   4101億円
 2014年度    406億円
 2015年度   2166億円
 2016年度    228億円
 2017年度   1855億円
 2918年度  1兆5695億円
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 上の表で、とくに2018年度は、

 台風21号(1兆678億円)、台風24号(3061億円)、7月豪雨
(1956億円)と、相次いで大災害に見舞われたため、

 合計で1兆5000億円を上回る保険金が支払われました。



 そしてこれは、

 東日本大震災の時(注1)をも上回る、過去最大の保険金支払額
となったのです。

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注1:
 東日本大震災では、被災者の生活の安定に寄与することを
目的として、
 政府と民間の損害保険会社が共同で運営する地震保険から、
これまでに1兆2891億円の保険金が支払われています。
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 以上、ここまで見てきましたが、

 最初は、「火災保険の値上がり」に対して、

 ふと疑問に思ったのが、ことの発端(ほったん)でした。



 しかし、いろいろ調べて行くうちに、

 台風や豪雨などの自然災害が、1年間で、東日本大震災をも
上回る被害を出していたことが分かり、愕然(がくぜん)とてしま
いました。

 地球温暖化による気候変動は、すでに、これほど甚大な被害
をもたらしているのです。



 これから将来、地球温暖化による気候変動がさらに酷(ひど)く
なり、

 台風や豪雨などの自然災害が、さらに甚大になって行ったら・・・

 そして、

 東日本大震災をも上回るような大災害が、毎年のように起こる
ようになったら・・・



 もしも、そうなってしまったら、

 自然災害に対するインフラの強化が、あるていど可能な日本と
いえども、

 国が崩壊してしまうのではないか・・・ 

 と、そんな心配が、現実のものになりつつあるような気がしてなり
ません。



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