世界中で大規模な山火事
2023年8月27日 寺岡克哉
お盆が過ぎても、猛烈な暑さが続いており、もう本当に嫌(いや)
になります。
8月23日には、私が住んでいる札幌市の最高気温が36.3℃
にも達し、
1876年に統計を取り始めてから、最も高い気温となりました。
ちなみに私の家は、札幌市郊外の高台にあり、市街地よりも
涼(すず)しいのですが、
それでも私の部屋の温度が33.5℃にもなりました。
ここのところ、食欲なんか全くありませんし、軽い吐き気がする
ときもあります。
そして8月24日には、
初めて北海道の全域に、「熱中症警戒アラート」が発令されま
した。
いよいよ北海道でも、エアコンが無ければ、命の危険を感じる
ほどに、地球温暖化が進んできたのです。
* * * * *
ところで一方、
このような地球温暖化による異常高温と乾燥で、世界中で
大規模な山火事が起こっています。
まず、
8月8日に、アメリカ・ハワイ州のマウイ島で大規模な山火事が
発生し、街が廃墟(はいきょ)と化しました。
ハワイ州観光局によると8月12日の時点で、マウイ島を訪(おと
ず)れていた観光客など、およそ4万6000人がカフルイ空港経由
で島を離れるなどの避難をしています。
マウイ郡の警察によると、8月21日までに死者が計115人に
なったとしており、
アメリカで起きた山火事としては、この100年余りで最悪の被害
となっています。
また、
8月15日には、世界屈指のリゾート地である、スペイン・カナリア
諸島のテネリフェ島にある国立公園で大規模な山火事が発生し
地元当局は8月19日までに、2万6000人以上が避難を強いられ
た可能性があると発表しています。
さらにまた、カナダでも山火事が猛威を振るっており、
カナダ北部にある街(まち)のイエローナイフでは、全住民(およそ
2万人)に避難命令が出されました。
また、カナダ西部・ブリティッシュコロンビア州のケロウナでも大規模
な山火事が発生して、非常事態宣言が発令されおり、
8月20日現在で、およそ3万5000人に避難命令が出されています。
カナダの災害対策当局による統計では、今年に入ってから8月20日
までに、カナダ国内で5800件もの山火事が発生しており、
焼失面積の合計が、日本の国土面積の約37%に当たる、約14万
1000平方キロメートルにも上り、過去最悪の状況となっています。
ギリシャの消防当局は8月22日。
数日前からギリシャの北部で大規模な山火事が続き、18人の
焼死体が見つかったと発表しました。
またギリシャでは、7月にもエーゲ海にあるロードス島で山火事が
広がり、観光客など約2万人が避難を余儀なくされました。
アメリカ・ワシントン州の当局によると、
ワシントン州の東部で山火事が発生し、8月20日までに少なくと
も185の建物が焼失して、1人が死亡したということです。
* * * * *
ところで専門家の話によると、
これら世界中で起こっている大規模な山火事は、例年にない高温
や乾燥、そして強風が引き起こしたものとみられています。
そして、このような状況が続くと、二酸化炭素を吸収する森林の
再生が追いつかず、さらに事態を悪化させる可能性があると言い
ます。
もしも、森林が元通りになる前に、もう1回火災が起きるということ
が生じていれば、その二酸化炭素はさらなる温暖化を引き起こす
ことにつながります。
そして、さらなる温暖化は、さらなる乾燥をもたらし、さらなる森林
火災を発生させます。
そのような「負のスパイラル」が、大変危惧されるということです。
* * * * *
ちなみに本サイトでも、
森林による二酸化炭素の吸収と、森林の消失による二酸化炭素
の増加については、
エッセイ244~249で、かなり詳しく説明しています。
あらためて読み直してみると、森林の消失による二酸化炭素の
増加は、ものすごく深刻であると再確認できました。
とても分かりやすく纏(まと)まっていますので、興味を持った方は、
ご覧になってみて下さい。
* * * * *
以上、ここまで見てきましたように、
地球温暖化による異常高温は、熱中症だけでなく、大規模な山火事
を世界中で発生させます。
そしてそれらは、運悪く起こった天災などではなく、
二酸化炭素の排出を増加させた「人類の過失」によって、起こって
いるのです。
私たち人類は、その事実から、決して目を逸(そ)らせてはなりませ
ん。
目次へ トップページへ