憎んだら負け
2023年6月25日 寺岡克哉
「働いたら負け」という言葉が、一時期有名になりましたが、
私は最近、「憎んだら負け」という考え方を、するようになりま
した。
なので今回は、
なぜ、そのような考え方をするようになったのか、書いてみたい
と思います。
* * * * *
まず大前提として、私は「憎むこと」が大嫌いです。
なぜなら、「憎しみ」の感情に駆られると、ものすごく不愉快な
気分になってしまうからです。
ちなみに私は、
怒りや、妬(ねた)み、恨(うら)みなどの感情に駆られても、
不愉快な気分になります。
しかし、それよりも、
「憎しみ」に駆られた方が、さらにもっと不愉快な気分になって
しまうのです。
たとえば、それまで穏やかで幸福な気分だったのに、
ひとたび「憎しみ」の感情が湧き起こると、その幸福な気分が、
一瞬にして吹き飛んでしまいます。
それはもう、ほんとうに、
人生の貴重な時間を、すべて台無しにされてしまった気持ちに
なります。
そんなことを、私が10歳代の頃から今まで、40年以上も繰(く)
り返してきたのです。
しかし最近になって、
「憎しみは、私の幸福を破壊するのだ!」ということに、ハタと気が
つきました。
つまり、私の幸福に対する最大の敵は、「憎しみ」だったのです。
そして、
「憎しみの感情に駆られてしまったら、その敵に負けたことになる」
「憎んだら負けなのだ!」
と、いうことにも気がつきました。
* * * * *
さて、
ここで少し、具体的な例を書いてみたいと思います。
たとえば・・・
ここ1年ほどで、もっとも数多く、私が憎しみの感情に駆り立て
られたのは、
ロシアのプーチン大統領による、ウクライナへの侵略行為に
対してです。
テレビの画面に、プーチン大統領がちょっと映っただけで、
「憎しみ」の感情が湧き起こり、幸せな気分がすべて吹き飛んで
しまいます。
プーチン大統領という、たった、たった一人の人間のために、
一体どれほど多くの人々が、苦しめられているのか・・・
と、そのように考えると、私は憎しみの感情に駆られてしまうの
です。
最近(6月6日)においても、
ロシア軍が、ウクライナの南部にあるダム(カホウカダム)を破壊
したために、
大規模な洪水が起こり、多くの人々が苦しめられています(注1)。
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注1:
破壊されたカホウカダムの貯水池にためられた水の量は、およそ
18立方キロメートルにも上り、これは、日本の琵琶湖のおよそ3分
の2に相当するといいます。
ウクライナ・ヘルソン州の知事によると、6月8日の時点で、東京
23区の面積に匹敵する600平方キロメートルの範囲で、浸水被害
が出ています。
また、ウクライナの内務省によると、6月13日の時点で、避難者
が2700人以上、死者が10人、行方不明者が41人となっています。
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このように、ロシアのプーチン大統領は、
おそらく、単なる「嫌がらせ」のために、ダムを破壊させたの
でしょう。
そのように考えると、ほんとうに憎しみの感情が湧き起こって
きます。
そして、それまで幸福な気分だったのに、それが一瞬にして
吹き飛んでしまうのです。
しかし、そんなとき、
「何も、プーチン大統領ごときに、私の幸福を破壊されること
はないのだ!」
「憎んだら、プーチン大統領に負けたことになるのだ!」
と、思うようにすれば、すこし頭が冷静になって、憎しみの感情
が和(やわ)らいで行きます。
* * * * *
以上、ここまで書いてきましたが、
「憎んだら負け!」と、いうふうに考えることは、
自分が幸福になるための、けっこう有効な方法ではないかと、
近ごろ思っている次第です。
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