心霊現象について 1
                              2022年8月28日 寺岡克哉


 夏の盛りは、すでに過ぎてしまった感がありますが、

 夏といえば、怪談や肝試(きもだめ)しなど、「心霊現象」の話題
で盛り上がる季節ですね。



 じつは私は、

 いわゆる「心霊現象」というものを、けっこう数多く体験しており、

 いつか機会があったら、それらについて書きたいと思っていま
した。



 そのことを最近、ふと思い出したので、

 今年の夏が終わってしまう前に、これまで私が体験したことの
ある「心霊現象」について、

 ちょっと書いてみることにします。


            * * * * *


●金縛(かなしば)り

 じつは私は、よく「金縛り」になります。

 とくに、電気を消して部屋をまっ暗にして寝ると、まず間違い
なく金縛りになるので、

 いつも電気をつけたまま、部屋を明るくして寝ています。

 しかし、部屋を明るくしても、ときどき金縛りになることがあるほど
です。



 金縛りになるときは、

 まず、その前兆として、「幻聴(げんちょう)」が聞こえ始めます。

 「ワーッ」という感じの音が、小さく鳴(な)り始めたかと思ったら、
それが次第に、だんだん大きくなって行きます。

 そして、「ワーッ!」と大音量になり、焦(あせ)り始めたころには、
手も足も頭も、すでに動かなくなっているのです。


 そして、ごく稀(まれ)にですが、

 なにか重いものが「ズッシリ」と、自分の上に覆(おお)いかぶさっ
ている感じが、することもあります。



 ところで、金縛りを解(と)くためには、

 手足にグッと力を入れて、すこしでも動かすことが出来れば良い
のですが、

 それが、なかなか出来ません。



 何度も何度も、手足を動かそうと踏ん張るため、

 金縛りが解けたときには、ハァハァと息切れをしている時さえ
あります。



 今では、金縛りに慣(な)れてしまい、恐怖を感じることは全く
ありませんが、

 しかし金縛りになると、安眠が妨(さまた)げられてしまうので、
ならないに越したことはありません。


             * * * * *


●目を開けて眠る

 私は20年ほど前から、「目を開けて眠る」ことが、1年に2~3回
ぐらい起こるようになりました。


 上で書いたように、「金縛り」を避けるため、部屋を明るくして寝て
いますので、

 目を開けて眠っていると、部屋の一部が見えます。


 そのとき、首を動かして視界を変えようとしても、金縛りと同じよう
に動かすことができないので、

 「いま自分は、目を開けて眠っているな」と、自覚できるわけです。



 ところで、

 目を開けて眠っていると、おそらく脳も、半分眠った状態なので
しょう。

 目から入った映像を、半分眠った脳が、勝手に解釈してしまい
ます。



 つまり、それが原因だと思うのですが、

 目の前に脱ぎ捨ててある衣服などが、眠っているときに目に
入ると、

 それが人の顔に見えたり、髑髏(どくろ)に見えたりします。

 しかも、その顔や髑髏が、こちらをジッと睨(にら)んでいるの
です。



 そんなものが見えたら、

 さすがに私も「ギョッ」と驚(おどろ)いて、「ハッ」と目が覚めて
行きますが、

 そのとき、まったく同じ物体を見ているにもかかわらず、目が
覚めて行くに従って、

 それが、だんだん、ふつうの衣服に見えるようになってきます。



 おそらく、上のような観察と分析ができなかった人は、

 体を動かせない状態で、誰もいないのに人の顔が見えたり、
とつぜん髑髏(どくろ)が見たりすれば、

 それを心霊現象だと信じ込んでしまうのは、無理もないように
思えます。


             * * * * *


●予知夢

 予知夢は、私が30代前半のときに、1度だけ見たことがあります。


 ある日、下宿の部屋で眠っていると、

 夜で真っ暗になった窓ガラスを背景にして、大学研究室の先生
の横顔を見ている夢を見ました。

 その夢は、なんの不思議さも、特別な意味合いも感じることなく、

 「なんで、こんな夢を見たのかな」と、ぼんやり思っただけでした。



 しかし、その後、数ヶ月から半年ぐらい経ったころでしょうか。

 その年の冬に、研究室のメンバーで、スキーを楽しむために
旅行へ行ったのですが、

 そのときに乗った夜行バスで、かつて夢に出てきた先生が偶然
にも、

 私とバスの通路をはさんで窓側、つまり、すこし離れているけれ
ど、ちょうど私の真横に座ったのです。



 さて、夜行バスが出発し、

 しばらくしてから、ふと、その先生の方に目をやると、

 夜で真っ暗になったバスの窓を背景にして、先生の横顔が
見えましたが、

 その光景は、かつて私が夢で見たものと、まったく同じだった
のです!



 これによって、過去に予知夢を見ていたことが判明しましたが、

 しかしながら、たとえば交通事故が起こるなどの、なにか特別
な予感がした訳ではありません。

 ただ、とくに何の意味もなく、その先生の横顔が、夢で見たの
と同じだったというだけです。



 このように、私が体験した予知夢は、

 いつ起こる予定の、どんな場面での夢なのか、事前には全く
分かりませんでした。

 なので、「予知夢で見た未来を変える試み」というのも、行うこと
ができません。



 だから、あまり面白くないと言えば、面白くないのですが、

 しかし「予知夢」という現象が、たしかに存在するという体験が
できたのは、とても興味深いことでした。


             * * * * *


 申し訳ありませんが、この続きは次回でやりたいと思います。



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