眠気に弱くなる
                              2022年8月7日 寺岡克哉


 私は、

 50歳を超えたあたりから、だんだん「眠気(ねむけ)」に弱く
なってきました。

 しかも、60歳に近くなった現在(満59歳)では、それがどんど
ん酷(ひど)くなっています。



 たとえば、

 すこしでも眠気を感じると、何も考えられなくなり、全身がズシン
と重くなって、体を動かすことが出来なくなるのです。

 とくに今年の夏は、ちょっと寝不足になっただけで、そのような
状態に陥(おちい)りました。

 これもひとえに、歳を取ってきたことが原因なのでしょう。



 ちなみに、

 「うつ病」になると、体が動かなくなり、通勤できなくなるという
話を聞いたことがあるのですが、

 その気持ちが、すこし分かったような気がします。


           * * * * *


 ところで、

 これまで私の人生において、いちばん睡眠が少なかった記録
は、

 3日(36時間)の期間で、3時間の仮眠しか取らなかったという
ものでした。



 これは、私が27歳のときに、

 セルン研究所(注1)で実験を行うため、2ヵ月間の滞在をしま
したが、

 その期間中において、実験がいちばんの山場にさしかかり、

 現場から一時(いっとき)も離れられなかったときに打ち立てた
記録です。

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注1 セルン研究所:

 セルン(CERN、欧州原子核研究機構) は、スイスのジュネーヴ
郊外にあり、フランスとの国境地帯にまたがって位置している、
世界最大規模の素粒子物理学の研究所です。
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 もしも、

 いま現在の私が、そんな酷(ひど)い寝不足をしたら、

 まず間違いなく、意識を無くして倒れてしまうでしょう。

 さらには、「心臓発作(ほっさ)」が起こるかもしれません。



 ほんとうに、

 「若いときにはムリがきくものだなあ」と、しみじみ思うのと
同時に、

 かつて、そんなムリが本当に出来たことが、とても信じられ
ない気分です。


          * * * * *


 ところで・・・ 私も、この歳(59歳)になると、

 「そう遠くないうちに必ず死ぬのならば、可能なかぎり楽に、
安らかに死にたいものだ」

 と、つよく願うようになってきました。



 そして近年では、眠気に弱くなった経験から、

 「強烈な眠気とともに、体が動かなくなり、何も考えられなくなっ
て、泥のように永遠の眠りに落ちる・・・ 」

 と、いうような死に方が、もし本当にできるならば、

 それはそれで、ものすごく理想的な死に方ではないかと、思う
ようになってきた次第です。



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