宗教に対して思うこと 2
                             2022年7月31日 寺岡克哉


 宗教を、「金儲けの手段」にしては、絶対にいけません!

 壺や印鑑などを高額で売りつける「霊感商法」などは、まったく
もって言語道断(ごんごどうだん)です。

 と、前回のエッセイで、私はつよく主張しました。



 が、しかし、

 それよりさらに、宗教がやっては、絶対にいけないことがあり
ます。

 それは、

 宗教が政治と繋(つな)がりを持って、「権力」を得てしまうこと
です。



 いま現在、安倍・元首相の暗殺事件に端を発して、

 自民党の複数の議員が、旧・統一教会と何らかの繋(つな)が
りがあったのではないかという疑惑が、噴出しています。


 じつは、

 宗教と政治の問題は、今に始まったことではないのですが、

 このたびの疑惑のように、宗教と政治が接近することに対し
ては、

 国民による監視の目を、十分に光らせておかなければなり
ません。


          * * * * *


 ところでなぜ、

 宗教が政治と繋(つな)がりを持って、「権力」を得てしまうこと
が悪いのでしょう?



 それは、宗教が政治権力を持つと、

 宗教戦争や魔女狩りなど、ものすごく大きな不幸を生んでしまう
ことが、

 否定できない事実として、人類の歴史に刻み込まれているから
です。



 たとえば西洋では、

 教会権力の主導によって、十字軍の遠征や、さまざまな宗教
戦争、そして魔女狩りなどが横行しました。


 また日本でも、

 寺が大きな権力を持って、さまざまな政治的弊害(へいがい)
を生んだり、宗教一揆が起こったりしました。

 歴史的に近い時代でさえも、国家神道と天皇や太平洋戦争の
問題などが起こっています。


 そして現代においても、

 イスラム原理主義過激派組織が建国を宣言した「イスラム国」
によって、大規模な紛争が勃発しました。



 これらのように、

 宗教と政治が繋がって大きな権力を持ち、ものすごく大きな
不幸を招いてしまった事態は、

 しばしば人類の歴史において、世界中で何度も起こっており、

 絶対に否定できない「歴史的事実」と、なっているのです。


            * * * * *


 ところで「宗教」というのは、

 多くの人々にとって、幸福な人生を送るために大切なものだと、
私は考えています。


 だからこそ宗教は、

 金儲けの手段にしてはならないし、政治権力を得る手段にして
もいけないのです。


 なぜなら、そんなことをすれば、

 宗教というものが、とても胡散(うさん)臭くて、すごく危険で、ぜん
ぜん信用できないものになってしまうからです。


 そして、そのことにより、

 人生において宗教が、とても大切であるにもかかわらず、多くの
人々を宗教から遠ざけてしまうからです。



 だから私は、

 金儲けや政治権力を狙(ねら)うような宗教組織を、絶対に許す
ことができません。

 このような宗教組織こそが、宗教の価値を貶(おとし)め、宗教を
愚弄(ぐろう)しているのです。



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