私の神 7
2022年3月13日 寺岡克哉
●「私の神」は、悪が増大すれば、苦しみと不幸を増大させる。
「私の神」は、行われる悪が大きくなればなるほど、その悪によっ
て生じる苦しみと不幸を、大きくさせて行きます。
しかも「私の神」は、悪の増大を止(や)めるまで、苦しみと不幸の
増大を、決して止(と)めることはありません。
あくまでも悪の増大を止めなければ、それはそれは無慈悲なほど
冷酷に、どこまでもどこまでも苦しみと不幸を増大させて行きます。
「私の神」は、この世を、この様にしているのです。
その実例として、
ロシアがウクライナへ侵略しているという、とても大きな悪につい
て、考えてみましょう。
いま現在・・・
ロシアによる侵略で、地獄のような苦しみと不幸が、ウクライナを
襲っています。
軍事施設だけでなく、民間人が暮らす都市部にも攻撃がおよん
で、学校や病院、民家(高層マンション)などが破壊されました。
その上さらに、「原子力発電所」までもが、攻撃を受けたのです。
ウクライナでは、たくさんの民間人が、負傷したり死亡しています
が、情報が錯綜(さくそう)していて、確かな人数が分からないほど
です。
また、ウクライナから国外へ避難した人々は、3月11日の時点
で250万人を超えています。このほか、推計でおよそ200万人が
ウクライナ国内で避難を強いられています。
ところで、
このままロシアが侵略の拡大を止めなければ、つまり悪の増大を
止めなければ、ウクライナの苦しみと不幸が、さらに大きくなって行き
ます。
都市部への攻撃が拡大して、学校や病院、民家などが、これまで
以上に破壊され、
空港、鉄道、道路、ガス、水道、電気、電話、インターネットなどの
社会インフラも、ズタズタに切断され、
死者や負傷者、避難民が、さらに増えて行くことでしょう。
そしてロシア自身も、
主要各国から、さらに強力な経済制裁を受けることになり、
ロシアと協力関係にある中国からも、距離を置かれるようになるで
しょう。
金融制裁により、ロシアの通貨が下落して、物価は高騰し、
貿易も制限されて、石油や天然ガスなど主力の輸出品を買って
もらえなくなり、輸入に頼っている物資は不足して、
ロシア国民の生活が、どんどん苦しくなって行くしょう。
そのためプーチン大統領は、いずれ国民の支持を失い、側近たち
にも見放されて、どんどん窮地に追い込まれて行くはずです。
しかし一方、それだけでなく、
主要各国による、ロシアへの経済制裁によって、世界経済も悪く
なって行きます。
そして結局、ウクライナとロシアだけでなく、世界中の国の人々が、
苦しみと不幸に見舞われるようになるのです。
ところが、それでも、ロシアが悪の増大を止めなければ・・・
たとえば、西側諸国による経済制裁や、ウクライナへの軍事物資
の援助を、ロシアが敵対行為だと見なして、
もしも西側諸国に、戦禍が拡大してしまったら・・・
そしてさらには、戦術核兵器までもが使われ出したら・・・
さらに最終的には、プーチン大統領が狂気に駆られて、もしも全面
核戦争を起こしてしまったら・・・
もしも、そうなったら、
すべての人類が、地獄のような苦しみと不幸に、襲われてしまう
でしょう。
事実、ロシアのプーチン大統領やラブロフ外相が、核兵器の使用
をほのめかすような発言をしているのです。
以上のように「私の神」は、
悪の増大を、できるだけ早く止めなければ、苦しみと不幸を、それ
だけ大きくさせて行きます。
どうしても悪の増大を止めないなら、どこまでもどこまでも、無慈悲
なほど冷酷に、苦しみと不幸をどんどん増大させて行くのです。
× × × × ×
ところで「私の神」は、
「この世を、この様にしているもの」として、厳然と存在するもので
あり、
いわゆる宗教の神のような、「人間が勝手に考え出した神」など
ではありません。
だから「私の神」は、
悪が増大しているにもかかわらず、苦しみと不幸を無くしてほしい
と言うような、
そのような人間に都合のよい願い事など、絶対に叶(かな)えて
くれません。
これは戦争だけでなく、「地球温暖化問題」などもそうですが、
人類が悪の増大を止(や)めないかぎり、「私の神」は苦しみと不幸
の増大を、絶対に止(と)めません。
あくまでも、人類が悪の増大を止(や)めないなら、(全面核戦争や
温暖化ガスの排出を、あくまでも止めないなら)、
それこそ、ほとんど全ての人類が滅ぶまで、「私の神」は苦しみと
不幸の増大を止(と)めないのです。
「私の神」は、それほどまでの「徹底的なやり方」によって、
できるだけ早い段階のうちに、悪の増大を止めさせて、この世から悪
を退けようとしているのです。
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